協会の歩み 2005年
2005年(平成17年) 定期総会開催
 2005年度の定期総会が2月5日(土)午前11時から、日本生命ピル4階で開かれた。開会に先立ち、昨年度亡くなられた藤原貢さんに黙祷を捧げご冥福を祈った。
 次いで片岡会長が挨拶に立ち、昨年度の協会の活動に対する支援と協力に感謝した。公の友好交流が凍結されている今だからこそ、民間の交流の重要性を強調して、いっそうの支援と協力を要請した。
 続いて、議長に理事の赤木宣雄氏が就任し、書記に萱野哲朗氏を、議事録署名人に家野四郎氏と山本直樹氏を委嘱したあと議案審議にはいった。慎重審議の結果、提案された議案はすべて承認された。
 今年は、役員改選の年に当たっているので、執行部から提案された原案を審議した。小野愛子理事、片岡琢之理事、岡崎邦泰理事が退任し、新たに西野雅二氏(岡山理科大学国際交流局局長)片山浩子氏(岡山外語学院学院長)小六宗平氏(中国三誌友の会)佐藤芳郎氏(佐藤芳郎公認会計士事務所所長)中村勝夫氏(元県立高等学校校長)の五人が理事に就任し、他の役員は今までどおり留任した。

新春互礼会・バザー

 総会のあと、12時から八仙閣で新春互礼会が開かれた。逢沢一郎外務副大臣、菱川公資岡山市助役、磯野昌郎岡山洛陽友好都市議員連盟幹事長、大藤眞岡山県日中懇話会会長、若井たつ子岡山市議会議員、木山資郎井原市日中友好経済交流協会会長その他、多数の来賓と十三名の中国人留学生、研修生と会員約七十名が集まって新春を祝った。
 次の方々からは祝電を頂いた。村田吉隆衆議院議員、江田五月参議院議員、千田博通岡山県議会議長、平山郁夫社団法人日中友好協会会長、萩原誠司岡山市長、姫井ゆみ子岡山県議会議員。
 会場の一隅に、会員が寄付した数々の品が並べてられていて、祝宴の合い間に、入れ代わり立ち代わり訪れるお客様で、バザーコーナーは賑わった。万円単位の掛軸や備前焼をはじめ、胡蝶蘭やコーヒーなど出品された品は全部売り切れた。売上金はスマトラ沖大地震の救援金と洛陽岡山友誼林の建設基金に充てられる。
「岡山洛陽友好桃園」開園へ
 協会が実施している洛陽緑化協力事業の中で、地元の要望が強かった経済作物の普及について、昨年11月に植樹訪問団が洛陽を訪問した時、岡山の桃技術の協力が話し合われた。それを受け、協会は4月4日から8日にかけ2名の農業技術専門家と事務局長を洛陽に派遣し、地元孟津県小浪底鎮の政府と協力して農林業関係者らに接木技術の指導と合わせ共同作業を行なった。2人は以前から協会が技術指導を頼んでいる久米南町の國忠征美さんと岡山県農林部OBの清水佐伯男さん。両氏はともに果樹をはじめとする農林業の専門家だ。
 桃園は植樹予定地に近い森林公園の中にある農地で約2反の広さ。既に300本の台木が植えられており、先に2人が接木の作業を披露した後、2人の若い農業普及員が実際にやってみた。その中の王さんは信陽林業学校を出て小浪底鎮政府の農業普及員を担当している専門技術者で、接木の経験もあり、今後の現地の指導者として期待される。約250本11品種の桃の穂木は全て日本の品種だが既に西安などに導入されていたものを使用した。國忠さんは「早ければ来年実をつけるものがあるかもしれないが、再来年には確実に美味しい桃ができるはず。土壌や気候は桃栽培に適しており、水さえきちんとやれば甘くて大きな桃ができる」と期待している。
 今年夏に協会では日中緑化交流基金に助成申請をし、長期的な協力計画を建てる。また秋には第二次植樹訪中団を派遣し地元民と汗を流す予定。協会の友好事業の大きな柱として今後の発展が期待される。
國忠征美さんが小浪底農業顧問に
 小浪底鎮の雷升鎮長は桃園の開設準備を契機に國忠さんに農業顧問の就任証を手渡した。國忠さんは「もともと桃は中国からいただいたもの。恩返しのつもりで役に立てれば光栄」と語った。
旭川荘が高齢者介護教員を養成
 高齢化の進む上海市で、高齢者介護の問題は喫緊の課題である。中国・上海市紅十字会の謝麗娟会長と社会福祉法人旭川荘の江草安彦理事長が高齢者介護の専門職養成を行うという合意に達したことから「岡山-上海高齢者介護教員養成センター」の開設となった。
 この高齢者介護教員養成事業は、昨年21名の高齢者介護教員を養成した。今年は新たに20名の高齢者介護教員を養成する。
 そして今年初めて、昨年養成された教員と旭川荘からの講師によって、教員ではなく直接高齢者に接する介護従事者の育成にあたる。今後は上海市を拠点として中国内陸部の紅十字会を中心として高齢者介護教員の養成を行う予定である。
岡山県日中教育交流協議会 上海との高校生交流促進
 6月7日、協議会会長の黒瀬定生氏を団長とする一行8名が上海市を訪問し、岡山県と上海市との高校生交流促進について関係者と協議した。一行は黒瀬団長のほか、岡山県高等学校芸術文化連盟(高芸連)役員や商業高校の教員らで構成。上海では高芸連が、今夏相互交流を予定している甘泉外国語中学を訪問した後、今年度から新たに始まったSTUDENT EXCHANGE PROGRAMの受け入れ校となった上海新中高級中学を訪問し、それぞれの交流実施に向けた最終打ち合わせをおこなった。おりしも上海では、大学受験のための統一試験の真最中で、多忙の中にもかかわらず、校長先生はじめ関係者の暖かい出迎えと接応を得て協議は友好的に終了し、今夏の本番を迎える準備が整った。
 9日には、岡山県上海事務所を訪問し、岡山県からの企業進出状況について那須所長からレクチャーを受けた後、上海国際貿易促進センターへ赴き、上海市全体の経済状況と投資環境について説明を受けた。午後には、嘉定区にある井原市からの進出企業・タカヤ電子工業を参観し、増設に次ぐ増設で順調な発展を遂げている様子や、慣習の違いなどを乗り越えてきた苦労話などに耳を傾けた。
 反日デモ以降、日中間がギクシャクしている中で、次代を担う青少年が相互理解を深めることは、今後の良好な日中関係を築く上で、大変重要である。そういう意味で、今回の協議会訪中団の果たす役割は大きい。
岡山県高等学校芸術文化連盟甘泉外国語中学訪日団と交流
 7月21日、岡山空港に高芸連が招聘した上海市甘泉外国語中学の生徒15名と引率者3名が降り立った。
 高芸連は国際交流事業として、韓国と中国上海とを隔年に相互訪問し、芸術文化の交流を続けている。一昨年はサーズの影響で中国との交流が中止となったため、今回は2回目の交流となる。4月に発生した上海での大規模な反日デモの影響を心配したが、岡山県日中教育交流協議会の先遣団や高芸連役員の事前訪問を通じて安全に友好的に交流ができるとの見通しができ、実現に至った。
 甘泉の学生は23日のチボリ公園での交流や高等学校総合文化祭への参加など多忙な日程をこなし、25日に岡山を離れ上海に帰国した。
 公演は民族楽器と民族舞踊で、それぞれすばらしい演奏と演技に参加者は胸を打たれた。
 今年の交流項目は合唱で、中心的には倉敷青陵高校が担当した。25日の岡山空港でのお別れでは、高校生同士が抱き合い、涙を流して別れを惜しんだ。
 国境、民族、言葉などの違いを超え、高校生同士が友達になれたことは次代の日中友好の大きな保証になる。
 日中関係が怪しくなっている今こそ、青少年の交流が大切だ。
野中広務先生講演会参加のお礼
 去る7月16日の日中友好公開講座として、野中先生の「日中関係を展望する」との講演を行いましたところ、多くの皆様方にご出席いただき、満席を越える大盛況で、ありがとうございました。
黄河流域の緑林緑化事業促進日中緑化基金が内定
 3年前から申請してきた「洛陽小浪底緑化協力事業」への基金申請について、日中緑化交流基金会より9月30日付けで内定の通知が協会に届いた。
 この基金は小渕総理の時代に中国の緑化支援と青少年交流を目的に設立された基金で、俗に『小渕基金』と呼ばれている。この基金を利用して、全国の日中友好団体が中国のパートナーと手を携えて砂漠化防止、緑化の活動に取り組んで大きな成果を収めている。
 岡山市日中友好協会では洛陽市人民対外友好協会と協議を重ね、黄河沿いの小浪底で緑化協力事業を始めた。これまでの資金は協会募金でまかなってきた。ただ、本格的に植林に取り組むには、やはりまとまった資金が必要。今回の基金内定は、我々の活動が一定の評価を受けたものであり、また今後の活動への大きな励みになるだろう。
第6回日中女性フォーラム開催
 平成17年度日中女性フォーラム実行委員会は会長・岡山市日中友好協会片岡和男会長、副会長、高田武子岡山市収入役、事務局・岡山市男女共同参画課として、7月30日開催された。このフォーラムは、昭和12年以来、上海市と岡山市と交互に開催され、今回が6回目である。まず、前日に歓迎レセプションが行われた。訪日団は団長、陳 建軍上海市婦女連合会児童和家庭工作部副部長を含め7名である。フォーラム参加者、荻野淑子市民局長ほか市関係者など多くの参加をいただき、和気藹々の雰囲気で歓迎が出来た。
 
「洛陽・岡山友好林」建設第二陣訪中
○岡山市日中友好協会
 訪中団が洛陽を訪問!
 片岡会長を団長とする総勢17名が10月30日から11月3日にかけて洛陽市を訪問した。おりしも岡山市長に高谷茂男氏が当選し、懸案になっている友好都市凍結解除への動きが本格化する中での訪問となった。また、10月24日に『日中緑化協力基金』の交付決定通知が届いた直後でもあり、3年前から協会が手がけている小浪底での植樹活動が新たなスタートを切る訪問でもあった。そしてもう一つの大きな目的は、白馬寺の印樂住職が正式に方丈に昇格する式典に参加することであった。
○洛陽市への表敬訪問
 訪問団一行は、高谷市長の親書と手土産を携え、31日に牡丹城賓館で劉典立氏と会見した。劉氏は洛陽市前市長であり、現在は日本の市議会に当たる洛陽市人民代表大会(全人代)の常務委員会主任という要職にある。私たち友好協会のパートナーである洛陽市人民対外友好協会の会長でもある。
 会見には外事弁公室の李留章主任や方双建副主任も同席した。
 片岡会長が来年の友好都市締結二十五周年にあたって市民訪問団の可能性に触れたのに対し、劉典立氏は、高谷市長を団長とする訪問団の洛陽訪問を熱烈に歓迎すると言明し、新市長の下で不正常な両市の関係が修復されることを確信していると強い期待を述べた。そして、高谷市長へくれぐれもよろしくと笑顔で語り、唐三彩の記念品を手渡した。今回の訪問での一番の収穫はこの『言葉』であったといえる。
○小浪底の植樹
 昨年の丁度同じ頃、第一次の植樹訪問団を組織し、初めて地元農民らと汗を流したが、今回は日中緑化交流基金交付が決定したこともあり、植樹現場では、李外事弁公室主任や孟津県の県長、小浪底鎮長らが参列し、盛大なセレモニーが行われ、『中日友好林記念碑』の除幕がなされた。その後、地元小浪底中学の生徒を含め約百名が参加して協会訪問団らと紅梨の木2,000本を植えた。黄河を臨む?山台地は快晴で、絶好の植樹日和だった。団員たちは中学生らと談笑したり記念写真を撮りながら、植樹にさわやかな汗を流した。

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