2001年12月
平成13年12月
  152号

発行人 片岡和男
編集人 岡本拓雄
2002年 年頭のご挨拶
岡山市日本中国友好協会 会長 片岡 和男
 皆々様には新しいお年をお迎えになり、おめでとうございます。昨年は大変お世話になり有り難うございました。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。昨年は岡山市・洛陽市友好都市締結20周年記念事業が行われ、4月には洛陽訪問市民訪中団に加わりました。また、当協会も創立20周年の年にあたり、色々の事業を展開し、12月1日には岡山市日中友好協会創立20周年記念式典・祝賀会を挙行致しました。逢沢一郎代議士、萩原誠司岡山市長はじめ各界より多くの方々のご参加をいただき、盛大に、和気あいあいの会になりましたことを喜んでおります。皆様に心より感謝申し上げる次第です。
 さて、協会といたしましては、20周年で成人式を迎えたことになります。温故知新の言葉どおり、今まで先人が努力して築かれました輝かしい道を振り返りつつ、更に新しい道を求めて、皆さんとともに英知を結集して進みたいと思います。とくに、新入会員は広い範囲から、ご入会頂きたく、女性の方、若い方に期待しております。そうして、基盤の充実を計って行きたいと念願しております。

 中国は昨年11月にはWTOに加盟が決まり、自由貿易が拡大すると思われます。そうして、時あたかも今年は日中国交正常化30周年になり、国レベルでの友好行事が展開されると思います。さらに、2008年には北京オリンピックが開催され中国は国際的発展が期待されます。この様な背景のもとに、岡山市日中友好協会は、中国の方々と友好交流の日常活動を深いものにするとともに、一層友好の輪を広げ、行政、友好団体と連携しながら活動してゆきたいと思います。皆様のご指導、ご協力を宜しくお願い申し上げます。

 皆様方の今年のご健康とご幸福を心よりお祈り申しあげて、新年のご挨拶と致します。

岡山市長 萩原 誠司
 新年明けましておめでとうございます。皆様方には、希望に満ちた輝かしい新春をお揃いでお迎えのことと心からお喜び申しあげます。平素から、本市の友好都市であります洛陽市との親善交流を始め、本市の国際化事業に対し格別のご理解とご協力を賜っておりますことに対し、厚くお礼申し上げます。

 昨年、貴協会におかれましては、栄えある設立20周年を迎えられ、来し方20年のすばらしい歩みのお祝いをされたところであり、これまでの日中の友好交流に多大な貢献をされましたことに対し改めて敬意を表します。

 また、本市にとりましても昨年は洛陽市との友好都市縁組20周年の節目の年でありましたが、この記念事業を展開するに当たり、貴協会のお力添えを賜りましたことにつきまして、深く感謝申し上げます。

 新しく迎えた本年は、貴協会にとりましても、岡山・洛陽両市にとりましても21年目、いわば新しいスタートを切る重要な年となるものと存じます。引き続き、両市、ひいては両国の友好親善の一層の進展に務めてまいる所存ですので、貴協会の変わらぬご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

 年頭に当たり、貴協会のますますのご発展と皆様方のご健勝、ご多幸を祈念いたしますとともに、市政の推進に一層のご支援をいただきますようお願いいたしまして、ごあいさつといたします。

洛陽市政府訪日団 歓迎昼食会開かる
 洛陽の劉典立市長が辞任したので、新しい市政府を代表して、郭俊民常務副市長を団長とする友好訪日団が来岡した。一行は、劉振立国土資源都市計画局長、尚成富教育局局長、石貴丹弁公室副主任、方双建外事弁公室副主任兼通訳、李学良財政局副局長、劉宗勝公共交通公司総経理(社長)の計7人。

 忙しい公式訪問の日程の合い間をぬって、28日12時から開かれた協会主催の歓迎昼食会に臨んだ。協会からは11人が出席した。席上、郭俊民副市長から、協会の片岡会長に、李貴基新市長からのメッセージが手渡された。
          
            メッセージの要旨
挨拶する郭俊民副市長
 洛陽市人民政府、対外友好協会、全市民を代表して、協会設立20周年のお祝いを申し上げます。これからも、日中両国と洛陽・岡山の市民の友情と協力の発展のため、新たな、より大きなご貢献を果たされますよう祈念致します。

協会設立20周年記念式典開かる
 記念式典は、12月1日午前11時30分より岡山プラザホテルで開かれた。会員その他百余名が出席した。片岡和男会長の挨拶、逢沢一郎衆議院議員、萩原誠司岡山市長、宮武博市議会議長、劉勝徳華僑総会会長の祝辞のあと祝電披露があった。続いて写真投影をしながら、松井三平事務局長が協会20年の歩みを説明した。

岡山市日中友好協会20年のあゆみ
概括
 協会の20年は、大げさに言えば岡山における日中友好運動の20年ともいえます。古くから多くの友好人士を輩出している岡山は日中友好運動の基礎があり、有利な条件がそろっていました。その伝統を受け継ぎ、新たな時代に対応した新たな組織作りのために私たちの大先輩達が奔走し、新生の市民組織である当協会が誕生したのでした。

 20周年を迎えるにあたって、これまでの足跡を確認しながら、新世紀時代にこたえられる協会のありかたを会員の皆様とともに考えていきたいと思います。

記念式典で挨拶する片岡和男会長
1. 1981年9月26日の再建総会にいたるまで
(1) 日中友好ムードのもり上がり(時代背景)
1956年(岡山県から始めての本格的訪中団)、1972年(日中国交正常化)、1978年(日中平和友好条約)、1981年(岡山市―洛陽市友好都市締結)等
(2) 会を重ねた準備委員会(伝統継承と新時代への対応)
*赤木五郎、村上栄、華山恵光、中西寛治、山本修一、吉岡一太郎ら
*協会岡山支部、岡山県日中仏教文化交流会、中国を知る会、中国医学研究会、郭沫若先生をしのぶ会、内山完造顕彰会などとの組織的合流
(3) 難題を克服し、市民的合意を得て発起人総会へ(市民みんなで日中友好!)

2. 再建当初のこと
(1) 富田町の事務所開設(5万円の家賃、5万円の事務職員手当て)
(2) 組織的話し合い
(3) 活発な運動展開
市民活動を基礎とした運動展開―キャンプ、パンダ募金、中国映画上映会
(4) 友好都市交流の高まり
洛陽への市民訪問団が活発化

設立当初の事務所(1982年)
パンダ救援募金活動(1984年)
3. 印象的な活動
(1) 范曽美術館設立(1984)
(2) 内山完造墓碑建立(1985)
(3) 福祉の翼後援(1990~現在)旭川荘と上海市の友好
(4) 新見市―信陽市友好都市促進協力
(5) 洛陽牡丹導入(瀬戸大橋博、半田山、三徳園、新見千屋)
(6) 日中仏教交流(岡山県日中仏教文化交流会、白馬寺)
(7) 洛陽へチャーター便7回(1987、1991、1996、2001など)
(8) 洛陽大学留学生派遣(1985~1992)天安門事件時の友好的配慮
(9) 日中友好キャンプ、中国映画上映、日中友好ボウリング大会など
(10) 中国三誌普及活動
(11) ㈱アジア・コミュニケーションズ設立(1989)
(12) 希望工程協力事業(洛陽・申窪村小学)
(13) 日中教育交流(未来は青年のものだ!)

協会派遣第7回洛陽大学留学生(1990年)
希望工程に協力(1998年)
漢詩鑑賞 貢桑諾尓布の詩と手蹟
 宝剣を匣底にしまって10年になるが、いまなお、澄み切った秋水の如くぴかぴかひかる。若者の優れた技量を等閑視するものではない。古くより、えらい人物は北方地方から起こっている。

 作者の貢桑諾尓布(グンサンノルブ、1871~1930)字は楽亭。チンギスハンの功臣烏梁海済拉瑪の子孫で、14代目の内モンゴルハラチン(現在の内モンゴル赤峰市喀喇沁旗)群王である。幼少よりモンゴル貴族教育を受け、儒学の古典と書画・剣術等に精通し、モンゴル語・漢語・満州語・チベット語と文字を身につけた。清の粛親王善耆の妹婿であり、光緒25年(1899)郡王爵位を世襲した。

 グンサンノルブは近代モンゴルの著名な王公の一人として、在位32年の間、新政を提唱し、学を興し、郵便を開通させるなど、モンゴル近代史において、あらゆる面の改革を行った人物である。彼は「富強を欲すれば、先ず学堂を創設すべし」と唱え、モンゴル民族の振興を図り、「崇正学堂」を創設した。光緒29年(1903)5月、グン王は日本へ渡り、政治・経済・文化・教育を視察した際、著名な教育者下田歌子と会見し、女子教育の重要性を強く認識し、帰国後自らモンゴル民族史上最初の毓正女学堂を創設し、内地と日本から教師を招き近代教科の教授を開設したほか、日本へ留学生も派遣した。1905年、グン王は『嬰報』というモンゴル文字の新聞を発行した。また、図書館を開設し、旗民の識字運動を唱えた。1906年、彼はモンゴル改革に関する『敬陳管見八条』を上奏した。辛亥革命後、貢桑諾尓布は北京へ招請され、親王に昇進し、モンゴル・チベット事務局の総裁に任命された。後にモンゴル・チベット院と改名し、総裁職に16年間在任した。グン王は任期中、烏蘭夫などのモンゴルの近・現代史において重要な人物を多数養成した国立北京モンゴル・チベット学校を創設し、自ら校長に就任した。父王の『如許斎詩集』を整理出版したほか、著書『竹友斎詩集』も出版した。

 この詩は作者の若いときの自励詩で、詩の中の「宝剣十年」という句は、作者は祖先伝来の宝剣を持っていることから、幼い時より大志を抱き、民族を振興させる政治抱負があったことを表している。

 この書道作品は作者の残した墨跡の一つで、清末、ハラチン王府に赴任した日本人教師河原操子(1875~1945)に贈呈したものである。作者は書画に精通し、殊に隷書、楷書に堪能である。貢桑諾尓布の書は蘇軾の楷書を尊び、楷書体に行書の風格を兼ね、字体は穏健、寛雅であり、筆画豊満、筆勢雄渾の特徴が伺え、蘇軾の楷書の芸術的特徴を保ちながら、晩清書道の閑雅な風致を含んでいる。(岡山大学留学生 馬福山)

ちょっとチャット(11) 柳長兵さん夫婦のこと                  協会会員 黒瀬 茂
 私の友人柳長兵さんが来日して以来15年になるが、日本人気質をよく飲み込んでいてなかなか社交が上手である。ご夫婦は旧満州のハルピンが出身地で、二人はギターのプロであり、奥さんの張平さんは歌手で音楽で結ばれた睦まじい夫婦で、中国の歌も日本の歌も実にすばらしい。

 お二人は中国で結婚し、日本留学生として岡山大学で共に勉学した。国際的知識・福祉関係、子どもの教育に造詣が深く、また料理も上手で水餃子(スイギョウザ)の味は格別においしく、いつもご馳走になっている。子供さんはかわいいお嬢さんがお一人で中学2年生に在学中。勉強も良く出来、生徒の信頼も厚く、今、生徒会の副会長を務めている。

 夏休みには故郷のハルピンに帰り、祖父母や近所の友達と語り合い、昔の友情を温めあっている。日本に帰ってから、夏休みに体験した中国の話や日本について思ったことを話してくれる。私は今まで多くの中国人と交際してきた。これからも、もっと多くの中国人の友人を作りたいと思っている。日本と中国は昔からの古い友であり、将来も永遠に仲良く交際しなければならない運命にあり、お互いに助け合っていかなければならない間柄にあると思う。日本で勉学したいと思って来た留学生に対しては、特別に心を配って、成果があがるように世話をしてあげなければならない。

活動日誌
11/28
洛陽市政府訪日団歓迎昼食会(八仙閣)
会報151号発行
12/1 協会設立20周年記念式典・祝賀会(岡山プラザホテル)
12/4 日中友好書道展(9日まで。県文化センター第二展示室)
12/13

中国三誌友の会。第106回例会

会員消息
【入会】
小六宗平(岡山市一宮)

2002年度総会を開く 2月9日・日生ビルにて
 岡山市日中友好協会第20回年次総会を、2月9日(土)岡山駅南の日生ビル5階会議室で開きます。行事は、午前11時から年次総会、12時から9階の八仙閣で新春互礼会を行います。

 また恒例のバザーを互礼会場で開きますので、皆様のご協力をお願いします。提供して頂く品物は何でもよろしいが、会員や留学生に喜んで貰える日用品とか、酒類、菓子類、食品など。贈答品の残りもこれまた結構です。2月1日までに協会事務所までお届け下さい。

 なお、参加費は7,000円、当日受付けます。

先憂後楽
 年末に洛陽を訪問した。経由地の鄭州空港に降り立ったらそこは雪景色で気温は1度だった。だんだん大きくなる雪花をながめながら、中原の高速をゆっくりと走り洛陽に到着した。

 洛陽では市長以下新しい体制が整い、我々と関係のある外事弁公室も李留章主任以下人事が確定しており、3日間の滞在中、杜康酒を傾けながら多くの交流事業案を語り合った。

 とくに教育交流については、岡山商科大学附属高等学校が先生同士の交換や高校生招聘事業にむけて協議するなど多くの成果があった。同校では単に中国語の勉強をするだけでなく、総合的に中国を理解するための学科を考案している。

 県下でも多くの公立高校が中国語授業を取り入れ始めているが、講師や授業方法などまだまだ改善すべきところが多いと聞く。学校では「総合的な学習」の移行措置期間が終了し来年度は愈々本番開始となる。その大きな柱である国際交流の中でアジアとりわけ中国との関係は大きな位置を占めてくるだろう。

 一面的でなく総合的に系統的に中国を理解し、友好事業やビジネスにおいて両国の橋渡しができる有能な人材が今ほど求められている時はない。中国との橋渡しと合わせて、授業内容など先生と協力していければ協会も存在価値が増すにちがいない。新しい年はそんな年でありたい。(松)


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