岡山と中国 2010年10月
平成22年10月
  205号


発行人 片岡和男
編集人 松井三平
洛陽市「栄誉証書」片岡氏へ 
片岡和男先生『洛陽市栄誉市民賞』授賞記念祝賀会
           主催:岡山市日中友好協会 
深甚なる敬意と心からの祝意 
お祝いの花束を贈られた片岡氏夫妻
手渡したのは留学生・鮑静さん
 
    「洛陽市栄誉市民」称号を授与された当協会、片岡和男会長の授賞記念祝賀会が、10月6日、JR岡山駅西口の岡山全日空ホテルで賑やかに開かれた。
 
  療養中の片岡氏は弘子夫人に付き添われて元気な姿を見せ、石井正弘知事や岡崎豊県議会議長らの来賓をはじめ関係者約80人が出席。洛陽市中日友好協会からの祝賀メッセージも披露され、和やかに懇談、授賞を祝った。 
  尖閣諸島問題を機にぎくしゃくしている日中関係の中にあって、あらためて民間レベルでの友好交流活動の重要性・必要性を再認識させた祝賀会となった。

  祝賀会では、会長代行の片山浩子氏が「この称号を授賞されたのは、片岡会長はもちろんのこと、来年洛陽市との交流30周年を迎える当協会にとってもたいへん光栄なこと。以前、両市の交流が一時凍結された時も、片岡会長と当協会は民間としてずっと交流を続けてきた。このことが、その後の両市の雪解けにお役にたてたのではないか。この授賞を機に、協会は引き続き民間として中国との友好交流を地道に続けていきたい」と挨拶した。
 
  この後、洛陽市から送られて来た正式の「栄誉証書」が、片岡氏に片山会長代行から手渡された。お祝いの花束は、研修生時代から親子のように接してきた岡山大学医学部大学院留学生の鮑静さんから贈られた。
  石井知事と岡崎議長はそれぞれ祝辞、岡山市関係者も高谷茂男市長の祝辞を代読。片岡氏の永年にわたる功績をたたえた。片岡弘子夫人が、会長に代わってお礼の言葉を述べた。
 
  今回の祝賀会については、もともと、洛陽市訪日団が来岡し、栄誉証書を直接片岡氏に贈ることになっていた。しかし、直前になって尖閣諸島問題が起こり、洛陽市の訪日団の「出国手続きが間に合わなくなり」来岡が困難となったという。
  このため、急きょ栄誉証書を送ってもらい、祝賀会として開催、片岡氏に手渡した。洛陽市側は、洛陽市中日友好協会の王建軍常務副会長名で「お祝いメッセージ」を寄せている。
 
  メッセージでは「片岡和男先生に対し深甚なる敬意と心からの祝意を表明致します。同時に、郭洪昌市長と楊炳旭副市長からの敬意と祝賀の意をお伝え申し上げたい。また、来年の牡丹祭には皆様方が洛陽に相集われることを念願しています」としている。

 
メッセージ
  洛陽市中日友好協会  常務副会長  王 建 軍
  皆さま、こんにちは!
  岡山市日中友好協会は、長期にわたり、岡山市と洛陽市の友好交流において、積極的な役割を果たし、重要な貢献をしてこられました。
 
  とりわけ片岡和男会長は、数十年一日のごとく、長期にわたって中日友好事業にご尽力され、洛陽市と岡山市の友好都市関係をうち立て、発展させ、両市間の広範囲にわたる友好交流と協力事業を促進し、両市人民の信頼と友誼を増進させるために、傑出した貢献を果たされました。

  片岡和男会長が果たされた、この両市友好交流における卓越した貢献を表彰するため、洛陽市人民政府は、洛政文【2010】115号文件として、先生に『洛陽市栄誉市民』の称号を授与することとなりました。
  ここで、私は、謹んで洛陽市中日友好協会を代表し、片岡和男先生に対し深甚なる敬意と心からの祝意を表明致します!

  同時に郭洪昌市長と楊炳旭副市長の片岡和男先生への敬意と祝賀の意をお伝え申し上げたいと存じます!
  洛陽市と岡山市は友好都市締結以来、両市の交流は密接で友好往来は途切れることが無く、豊富な成果を納めています。
  本年、5月と8月には、岡山市日中友好協会の心のこもったお手配の下に、洛陽市医療訪問団が2回訪問し、円満に成功致しました。
 
  そして数日前には、我が市の孟津県農林業視察団を受入れて頂きました。このことにつきましても衷心より感謝申し上げます!
  貴市日中友好協会の積極的な努力の下に、日中医療交流促進訪問団が今年12月に洛陽を訪問される予定ですが、この訪問団が円満に成功しますことをご期待申し上げます。
  来年は、洛陽市岡山市友好都市締結30周年です。
  本日ご出席の友人の皆様は長期にわたり中日友好における積極的な人士である事を存じ上げています。ここで、皆様に対し、深い敬意と感謝の意を表したいと存じます。
  そして皆様方には、引き続き両市の友好交流において積極的な貢献をして頂きますよう希望致します!

  私は、皆様が洛陽にお越しいただけるのを心より歓迎申し上げます!来年の牡丹祭には皆様方が洛陽に相集われることを念願しています。
  最後になりましたが、片岡和男会長及びご在席の皆様のご健勝とお仕事が順調にいきますこと、そしてご家族のご多幸をお祈り申し上げます。 (訳責・松井三平) 
     
  
戻る このページのトップへ トップページへ
STUDENT EXCHANGE   
 大連の高校生9人を招く 朝日高訪問、交歓会で交流

             岡山県日中教育交流協議会
             (財)福武教育文化振興財団
 
歓送会で肩を組み歌う日中高校生
 
  大連市内にある大連第一中学の高校生9名と引率者2名が、9月30日から10月4日まで来岡し、岡山の高校生との交流を行った。      
  これは、岡山県日中教育交流協議会(岡田浩明会長)が財団法人福武教育文化振興財団(福武總一郎理事長)の委託を受けて実施している日中青年交流「STUDENT EXCHANGE」プログラムで、岡山の選抜高校生による中国への訪問と中国からの高校生の訪日がセットになっている。

  8月には岡山県から20名の高校生と引率者3名が大連を訪問し、大連一中での高校生交流を実施している。
  これまでは、上海市との交流を4年間継続してきたが、今年は初めて大連との交流を行った。
  一行は、10月1日朝から、福武教育文化振興財団の訪問、朝日高校への訪問を行い、10月2日には岡山から訪問した高校生らとともに瀬戸大橋や倉敷美観地区を観光、その日の午後からホームステイ先へ分散した。

  3日目の10月3日は、高校生同士で岡山市内を散策。買い物やゲーム、カラオケ?などを楽しんだ。
  そして、夜は、交歓会に臨んだ。日本の歌やダンス、中国の歌の交歓があり、高校生らしい盛り上がりだった。

  一行は4日の朝、大阪へ向かい、5日には名古屋空港から大連へ帰国した。
  団長で、大連一中教務弁公室主任の田宏賓氏は、歓迎会や送別会の挨拶の中で「我々の仕事は、次代を担う子供たちに日中相互理解のプラットフォームや環境を提供することだ」と語っていた。
  このように、未来の日中友好を担うのは間違いなく青年であり、相互理解を促す交流が更に活発になることこそ大切な事だ。

 
岡山「浪乗り会」
       中山氏12月に来岡   授業参加者を募集
 
  岡山でも7月から始まった中国語学習の「浪乗り会」に、12月18日、同学習運動を主宰している中山時子氏(お茶の水女子大名誉教授)が、直接出席し指導する。
  今回は会場を岡山市北区南方の岡山県総合福祉・ボランティア・NPO会館内「きらめきセンター」で開く。

  同日は午後2時から同5時まで、中山氏から中国語の学び方と浪乗り会の授業を受ける。初心者の参加も歓迎する。参加費は一般が一人千円、協会会員同八百円、協会実施の浪乗り会受講者はチケット使用可。
  この岡山「浪乗り会」は、通常協会内の岡山中国センター教室で、月2回(第一、第三水曜日)開かれている。

  希望者は協会まで電話かファクスで申し込めばよい。

 
映像と講演「中国の食文化を考える~北京~」
     映像作家 重森貝崙氏(美玲氏の子息)来岡

        参加者募集  11月6日 岡山国際交流センター
 
 
  岡山市日中友好協会では、フリーの映像作家として知られる重森貝崙(しげもり・ばいろん)氏を招いて「中国の食文化を考える~北京~」と題した講演会を開く。

  日時は、11月6日午後1時半から同3時半まで、JR岡山駅西口の岡山国際交流センター地下一階レセプションルーム。協会では、参加者を広く募集している。      講演では、中国の食文化の映像を数多く手がけてきた重森氏が、これまでに取材してきた映像作品を紹介し、その後、北京の食文化事情について話す。
  重森氏は、岡山出身の造園家、重森美玲氏の子息。1936年生まれで、慶應大学文学部で中国文学を専攻、卒業後岩波映画に入社し、監督として数多くの記録映画を手がけてきた。

  代表作は「中華人民共和国の農業」「中国の食文化・五部作」「世界の食事と健康シリーズ」など。
  現在はフリーの映像作家として活躍中。中日文化研究所理事でもある。東京在住。

  講演会の参加費は、一般が一人千円、協会員同八百円。
  参加希望者は、協会まで電話かファクスで申し込めばよい。住所、氏名、連絡先が必要。
 
戻る このページのトップへ トップページへ
ぶんちゃんから手紙!

 「ありがとう  感謝いっぱい」

      =9月10日 程ぶん=

 
9月13日 倉敷中央病院
 
   
  
洛陽  孟津県農業視察団来岡!
          果樹栽培技術など研究
 
  孟津県副県長、牛中原氏を団長とする洛陽市孟津県農業視察団6名が、9月26日、上海岡山の定期便で来岡した。
  8月に来日予定だったが、地元孟津県で暴風雨災害が起こったため、延期となっていた。
  一行は、各地の農業施設を視察したほか、瀬戸大橋も見学、それぞれの歓迎会などに臨み懇談、交流した。 

協会主催の歓迎会
 
  □協会主催歓迎会 役員ら20人が参加

  歓迎会には、孟津県小浪底で協会が日中緑化交流基金の助成による緑化事業を展開していることから、その植樹ボランティアに参加したことのある協会員や役員ら20名が参加。
  市内中華レストランで和やかに懇談し洛陽からの客人をもてなした。 

岡山県農林水産総合センター
 
  □農業視察 ブドウ畑で試食

  翌日は、赤磐市にある岡山県農林水産総合センターを訪問。同農業研究所の永井一哉副所長より、岡山県の農業事情について説明を受けた。
  その後、試験場に出て、桃やブドウ、梨などの育成状況について視察した。
  洛陽では、デラウェアーなどの欧米品種が高級品種として入ってきているが、ピオーネなどは入っておらず、一行は市場価格や育成技術などについて熱心に聞いていた。
  引き続き、実際にピオーネを作っている農家を訪問し、ブドウ畑で試食をし、その大きさと甘さに一同感激していた。
 
 
 
國忠さん一家と
 
  □國忠征美氏農場を訪問  
       家族とも親しく懇談


  昼食後、一行は久米南町に移動し、永年孟津県で緑化指導と果樹栽培指導を行っている國忠征美さんのファームと自宅を訪問した。
  國忠さんは「グローバリーナーセリークニタダ」を経営し、緑化植物や珍種の果樹などの育成出荷を行っており、その事業の概要などの説明をビニールハウスの現場で聞いた。
  自宅では、お茶とお菓子による日本式の接待を受け、家族の方々と親しく懇談した。

送 別 会
 
  □歓送会 茶店で「おおもと鍋」

  その夜には、神道山の茶店で送別会に臨んだ。日中関係が緊迫した中での訪日だっただけに、一行も滞在中いくらか緊張していたが、この日はリラックス。
  名物「おおもと鍋」を食べながら関係者と懇親、岡山の最後の夜を楽しんだ。 
           
戻る このページのトップへ トップページへ
中山時子先生 の
   中国料理マナー教室
に参加してみませんか!!
             12月17日/ホテルオークラ岡山
 
 
  岡山市日中友好協会では、好評に応えて第2回目の「中山時子中国料理マナー教室」を開く。参加者を募集中。
  開催日は、12月17日午後6時から、岡山市中区門田本町のホテルオークラ岡山内「中国料理桃花林」で。   中山氏は、お茶の水女子大名誉教授で中国料理研究家としても知られている。今年3月に、岡山市北区丸の内、チャイニーズレストラン「福幸」で第1回目のマナー教室を開催、大好評だった。

  初回は、中山氏がメニューを自ら選定、出席する時の決まりごとから、食べる上でのマナーなど幅広く話し、30人の参加者が熱心に聞き入った。

  今回も、料理は中山氏特選の特別メニューフルコースとなる。食事前に、簡単に中国料理に関する話があり、その後、コース料理を楽しみながらマナーを学ぶ。 

 活動日誌
 9/3…洛陽市研修生送別会(岡山市国際交流協議会)
 9/9…岡山県農林水産総合センター訪問(孟津県受入願い)
 9/13…程ぶんさん激励(倉敷中央病院)
 9/16…瀬戸内市長に会見(事務局長)
 9/17…中国営口市人民政府招商局響尾聡彦氏来局
      (青井賢平就実学園相談役紹介)
 9/26…洛陽市孟津県農業視察団来岡(28日まで滞在)
 9/29…大阪総領事館主催、中国建国61周年記念祝賀会、
      事務局長(大阪リーガロイヤルホテル)
 9/30…大連一中訪日団来岡(~10/4まで滞在)日中教育
      交流協議会招聘。
 10/6…片岡会長「洛陽市栄誉市民賞」授賞記念祝賀会
      (全日空ホテル)
先憂後楽
友好交流の強固なプラットフォームを築こう!

  今年4月の洛陽牡丹祭に参加して以来、懸案事項となっていた片岡和男会長の「洛陽市栄誉市民賞」授賞祝賀会が、10月6日にようやく実現できた。
  祝賀会の日程は、洛陽市政府訪日団の来岡に合わせて設定していたが、手続きが間に合わず、来日ができない状況下での開催となった。
  この時はちょうど、尖閣諸島での問題がクローズアップされていた最中だった。

  今回の中国漁船衝突事件で、船長の拘束に対し中国政府は激しく抗議し具体的な報復措置に出た。
  結果、日中各地で予定されていた友好事業にも少なからず影響が出た。今回の洛陽市訪日団の訪日中止もこの問題と無関係ではないだろう。

  温家宝首相が国連の会議出席時に地元華人や留学生を前に「日本は中国人民の怒りをかっている。このことによって起こるすべての責任は日本政府がとらなければならない」と激しい口調で演説していたのを、旅先の四川省のテレビで見た。
  国内便の機内で見る新聞もその記事を大きく掲載していた。日本以上に中国が加熱している状況を不安な気持ちで感じながら九寨溝などを巡っていた。
  同行していたガイド氏とも情報を交換していたが、彼は「時間が経てばすぐ良くなるでしょう」と比較的楽観的だった。

  帰国するとすぐ洛陽市から孟津県農業視察団がやってきた。この時期に訪日団が来岡したということもあり、マスコミの取材が凄かった。とりわけNHKが何度も報道したため、反応も大きかった。
  事件に対する中国人の意見をインタビューしたいと要望されたが、慎重姿勢の団長は「話すことによって誤解が生まれては困るので、取材には応じない」と言った。
  確かに、意図とは異なるように描かれることはよくあること。団長の判断は賢明だったと思う。

  その直後に来岡した大連の高校生訪日団もマスコミの注目を集めたが、団長は挨拶の中で次のように話していた。
  「我々は高校生交流に来ている。私たちの任務は子供たちに日中相互理解のための環境を与えること、そのプラットフォームを築くことだ」と明快だった。

  片岡会長の祝賀会でも、各来賓がこういう時だからこそ民間交流を活発にさせるべきだと力説しておられた。
  我々の交流は国と国を背負っているのではなく、人と人、民間同士の交流を担っている。かつて、我々の先輩たちは、国交のない時から、現在よりもっと厳しい環境下で日中の交流を探りそれを実現させるために尽力した。
  その地道な取り組みがあってからこそ、両国の国交回復や平和友好条約の締結につながったといえる。

  地道な取り組みが、政治をも動かしたのである。我々の友好活動が無力なのでは決してない。友好の内実がまだまだ本物ではないことこそ、思い至るべきことなのだろう。 (松) 


「岡山と中国」ご希望の方にはご郵送いたします。  
また、ご入会いただくと、毎月お手元へお届けいたします。入会案内をご覧ください。


戻る   このページのトップへ トップページへ