岡山と中国 2013年6月
平成25年6月
  221号


発行人 片山浩子
編集人 松井三平
当協会・瀬戸内日中友好卓球交流会準備会招聘
       青島市より卓球交流促進団
       

  岡山、高松と中国・青島市との瀬戸内日中友好卓球交流がいよいよ具体的に動き出した。青島市卓球運動協会関係者がこのほど来日、卓球交流の実施を確認し合った。

小中学生の相互派遣、中高年の交流も協議
子供らの歓迎を受ける松崎キミ代さんや董煕会長(ねや卓球道場)
 
  青島市卓球運動協会常務会長の董熙氏を団長とする訪日団3人は、6月19日夜、仁川経由の大韓航空便で岡山空港に到着した。

  一行は、岡山市日中友好協会の招聘により来日したもので、中国との卓球交流を進めようと昨年より準備されてきた「瀬戸内日中友好卓球交流会」準備会の受け入れにより実現した。

  翌、20日には、JR瀬戸大橋線「マリンライナー」で高松入り。高松での交流窓口である同準備会委員、徳永孝明氏、それに元世界女子卓球チャンピオンの
手とり足とり指導する董会長(ねや卓球道場)
 
松崎キミ代さん、徳永尚子さんらの出迎えを受け、フェリーで女木島へ渡った。

  女木島には休校となっている小学校の体育館を利用して卓球場が作られており、高松での日中卓球交流の候補地となっているため、現場の様子を調査した。

  その後、合宿場所候補地や徳永氏の別荘などを見学して、昼前のフェリーで高松に戻り、金刀比羅宮観光に向かった。
  「こんぴらさん」では、讃岐うどんの実演を体験、打ちたてのうどんに舌鼓。その後、高松に戻りショッピング。午後5時、交流・歓迎行事のある料亭「二蝶」に到着した。

  歓迎会には、瀬戸内日中友好卓球交流会準備会代表の村上尚氏や、徳永夫妻、栗本夫妻、鈴木兼四氏、そして岡山からは、国定剛氏と松井三平理事事務局長も同席した。
  参加者は、本格的な日本料理を堪能し、席上、青島市の董会長から、青少年交流だけでなく中高年の交流も広げていこうとの提案がなされ、参加者の同意を得た。

  一行は翌21日、岡山へ移動。岡山での交流会場の候補となっている「卓球クラブマルカワ」と「ねや卓球道場」を調査訪問。
  その夜は、岡山市日中友好協会と瀬戸内日中卓球交流会の共催により、しんとうざん茶店で歓迎会が行われた。
  松岡俊郎氏や大島唯志氏ら岡山の卓球関係者、当協会から片山浩子会長、黒住昭子副会長、山本直樹理事、室賀康史監事夫妻、国定氏、松井理事らも加わり、おおもと鍋で交流を深めた。
  一行は、神道山で一泊し、22日の岡山韓国便で青島に帰国した。
董会長(前列中央)を囲んで(高松歓迎会)
 

  今回の訪問は、日中関係が冷え込む中、民間交流を推し進めようという日本側の熱い思いで実現した。
  かつて、ピンポン外交で米中が国交回復し、次いで日中が国交正常化を実現した経過がある。

  〝平成のピンポン外交〟ともいうべきこの卓球交
流を一歩ずつ実現していき、日中友好交流再開への足掛かりになることが期待されている。

董煕会長の話
  今回の訪日目的は、卓球交流を通じて双方の卓球技術レベルの向上と、中日の相互理解を深め友好を促進することです。また、青少年交流だけでなく中高年の交流もやろうではありませんか。

 (青島には約7千人の中高年者が卓球を練習し年代ごとの大会に出場するなど卓球熱のボルテージがあがっているという)
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中国人留学生
     新入生歓迎会開催
 

  岡山県中国人留学生学友会(石見卓会長)主催による新入生歓迎会が、4月22日、岡山大学留学生会館で行われた。
  本年4月に岡山大学はじめ私立大学などに入学した中国人留学生約70人が参加。歓迎会には、大阪総領事館の教育部より3名、岡山の友好団体など来賓も出席、紹介された。

  協会からは松井事務局長が参加し、来賓を代表して挨拶した。
  おりしも四川省で起きた地震の直後でもあり、松井事務局長は挨拶の冒頭、地震の犠牲者への哀悼の意を表すため黙礼を行った。

  歓迎会は、同学友会の顧問である張羽さんらの軽妙な司会で進行し、教育部から留学生活への注意事項が話された後、会食にうつり、音楽演奏などが行われ、和やかに進行した。
 
  一昨年の東北大地震と福島原発事故、そして昨年の尖閣列島問題などの影響で来日する中国人留学生が減少している中、岡山商科大学などは逆に増加していることが報告された。

  中国各地から希望に燃えて岡山へ来た新入生が、勉学と生活を両立させ、良い印象を持って留学生生活を送ってもらい、将来岡山と中国との友好の懸け橋になってもらいたいと願った。 

四川省大地震募金 ご協力いただいた皆さん
                         =順不同、敬称略。 6月20日現在=

 《18万2,797円》岡山県日中懇話会
 《3万円》新見市国際交流協会
 《2万2,000円》岡山県教育庁職員一同
 《2万円》長泉寺ボランティア基金会
 《1万8,000円》○中会
 《1万2,000円》岡山商科大学孔子学院
 《1万円》井原日中、漆間宣隆、岡本拓雄、岡山放送㈱、片岡和男・弘子、宋燦錫、高橋幸夫、多田利哉、
      公 益財団法人福武教育文化振興財団、山本直樹
 《8,322円》協会募金箱
 《7,657円》岡山外語学院募金箱
 《6,000円》稲谷祐慈、江田五月、王革、長尾冨佐恵、中島豊爾、中山正昭
 《5,000円》秋元胱久、岡本多太資、岡山ビジネスカレッジ日本語学科・国際文化学科、片岡正文、
        西上忠志
 《4,501円》岡山市国際交流協議会
 《4,000円》天野勝昭、岡田浩明、岡山国際ホテル、木山敬太郎、國定剛、小路広史、高渕宣雄、
        則武卓巳、松尾正男
 《3,000円》秋月皓淳、森崎岩之助
 《2,464円》又来軒岡山駅前店募金箱
 《2,000円》青山慎吾、荒木敏雄、荒木安子、安藤伸吾、岡山科学技術専門学校、垣見遥、加治信正
        片山主計、川上意、国崎肇、黒住昭子、小島達也、古谷静、坂本睦士、末光茂、髙木文彦、
        髙取美香、寺坂信久、中原富二雄、西哲夫、西井隆之、三澤初子、室賀康史、山本清、
        山本碧、吉井常浩、若狭敬子
 《1,899円》ザグザグ西長瀬店募金箱
 《1,875円》ザグザグ大元店募金箱
 《1,000円》谷口友洋、山根健
 《990円》又来軒岡山遊プラザ店募金箱
 《857円》ザグザグ三門店募金箱
 《836円》福幸募金箱
 《748円》ザグザグ門田屋敷南店募金箱
 《668円》ザグザグ福富店募金箱
 《650円》ザグザグタカヤ店募金箱
 《540円》浪乗り会
 《497円》ザグザグフレスポ高屋店募金箱
 《190円》ザグザグわかば店募金箱
                        [総額]  57万6,491円 
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岡山と洛陽との実質的
       医療交流の開始に際して

                       岡山県精神科医療センター医監   関  英 一 

 
  岡山市と洛陽市の間には、1981年の姉妹都市締結以来の交流の歴史があり、2010年からは日本側の窓口を岡山市日中友好協会医療交流委員会(委員長・土井章弘岡山旭東病院長)が務めながら、相互訪問、協力協議書への署名、名誉院長の称号授与などが積み重ねられてきました。

  2012年7月には、洛陽市中心医院の談華医師、王麗莉看護師が来日し、岡山旭東病院で2週間の研修生活を送り、より実質的な交流の段階を迎えました。
  岡山からも洛陽へ医師、看護師を研修派遣する双方向の交流の実現には、諸般の情勢から、適切な時期を見計らう慎重さが求められました。

  こうした中、土井委員長と共に両市間の医療交流推進を図ってきた中島豊爾岡山県精神科医療センター理事長より小職に対し「今後の医療交流の実質的推進のための基礎構築と中医(中国伝統医学)の我が国精神科医療への応用可能性の基礎調査」の命が下りました。
  岡山旭東病院でも、脳外科の佐藤元美医師と井上マサヨ看護師を2週間程度の期間、洛陽へ派遣する意向を固められました。

  これを受け、協会が機敏に対応くださり、文書による打診を経て、土井委員長を筆頭に、黒住昭子協会副会長、松井三平協会事務局長、精神科医療センター志茂香代子職員、小職の5名からなる協議団が2013年4月10~12日の間、洛陽市の三病院を訪問して上記のような滞在・研修の実現可能性を協議しました。
  結果として、すべての病院から受入を歓迎する旨が即答され、佐藤、井上両名の中心医院への2週間の派遣、小職の第五人民医院、第一中医院への6週間ずつ合計約3か月間の派遣が実現する運びとなりました。

  その後も、協会を通じて具体的な研修内容について文書によるやり取りを重ね、6月時点までに、現地の病院滞在中の診療場面への立会、治療方針などをめぐる院内打合せ会議への参加、規則を遵守した上での診療録の閲覧などを認めるとともに通訳者の便宜供与を約束する回答が寄せられました。
洛陽市中医病院での懇談(本年4月)
  洛陽の各病院にて真剣で誠実な検討がなされ、信頼関係に基づくこのように前向きで寛大な対応をいただける旨の表明があったことに感銘を受けております。

  今回の研修成果の一つとして、今後の交流において、洛陽からの研修生には岡山の、岡山からの研修生には洛陽の医療事情を知る助けとなる基礎資料を「医療交流便覧」として、日中両言語で取りまとめることも合意されました。

  7月6日より、この滞在・研修が実際に始まります。しっかりとした成果を挙げて、帰国後によいご報告ができるよう、現地でもより一層精進を重ねていく所存です。 

OIBA(岡山県国際経済交流協会)
      5月開講の中国語講座好評

  本年5月から開講したOIBA(岡山県国際経済交流協会)が主催するビジネスアカデミー中国語講座が好評だ。
 
  講師は、協会中国語センター運営員会代表で副会長の黒住昭子さん。中山時子先生から特訓を受け、耳と体で発音を覚えるという徹底した教授法で実施されている。

  大きな声でひたすらピンインを読み、挨拶用語、指示語等を順次学習している。
  中国語には日本語にない発音が多くあり、初めて習う人は、日本人講師が良いとされている。
  その理由は、日本人が苦労しないと体得できない独特な中国語発音は、中国の人にとっては生まれた時から身につけているため、あたりまえのモノになっているからだ。

  今回のOIBA中国語講座では、企業からの派遣、個人での申し込みなど様々な受講生だが、仕事や生活に活かすという明確な目標を持った人ばかりで受講姿勢も積極的。半年、一年後の成果が期待される。

県日中教育交流(協)総会
      高校生交流今年も

  岡山県日中教育交流協議会の総会及び理事会が、5月26日、岡山県生涯学習センターで開かれた。
  総会には、役員や会員ら約20人参加、門野八洲雄会長が開会のあいさつをした後、松井三平事務局長が昨年度の活動報告と収支報告。
  日中高校生交流事業では、尖閣問題発生で、訪中はできたが訪日が実現できなかったことなどが報告された。

  本年度役員案が提案され門野会長らを満場一致で承認した。活動方針では、引き続き大連一中との高校生交流を実施することや秋には会員向けの訪中団を企画することが決まった。予算案も原案通り承認された。

会員消息
 【入会者】
  村上 尚さん(堺市)

活動日誌
 5/25…大阪府日中友好協会総会記念丹羽宇一郎前北京日本大使講演会聴講(ホテルニューオオタニ)
 5/26…岡山県日中教育交流協議会総会(岡山県生涯学習センター)
 6/19…青島市卓球運動協会訪日団(~22日)
 6/22…日中青年交流大連派遣高校生選抜会(県生涯学習センター)
 6/23…日本中国語検定試験(ノートルダム清心女子大学)
 6/26…岡山県立天城中学校人権講演会にて講演(事務局長)

先憂後楽

  「中国尖閣12カイリ不進入要求」「日本政府は拒否」6月22日付の山陽新聞トップ記事だ。外交交渉は暗礁に乗り上げた格好だ。何が起こっても不思議ではない尖閣周辺では海上保安庁や漁民などは毎日が緊張の連続に違いない。

 1972年に日中国交正常化のための交渉の中で、中国は領有権問題を出さなかったが、それは領有権がないと認めた訳ではなかった。その問題を出すと国交正常化が出来なかったから「棚上げ」という知恵がでたのではなかったか?そして、その知恵を日本側が認めたからこそ共同声明が発表され、戦争終結と国交回復が実現したのだ。

  いま巷には中国の言いなりになるなとか、差別的な言動が増えてきている。中国内にも日本政府の歴史認識や橋下大阪市長の慰安婦発言などをめぐって反日機運が蔓延している。
  政治が解決するしか術がないことであるが、民間団体として、また一個人として日中平和友好、不再戦を声高く訴える時だと思う。

  航空路線も搭乗率が下がり航空会社も必死の思いで路線維持している。留学生や技能実習生も減少している。相互にとって何一つ得なことはない。国益を守るために政治の決断を願いたい。  (松)


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