岡山と中国 2014年10月
平成26年10月
  229号


発行人 片山浩子
編集人 松井三平
吉備楽 古琴 絵画 書 尺八 琴
         岡山、洛陽芸術家交流会 
           
  洛陽市芸術家訪日団来岡
               岡山の芸術家と競演揮毫
 

  岡山市の友好都市、洛陽市から同市を代表する古琴、書画などの芸術家を迎えた「日中芸術家交流会」(主催・岡山市日中友好協会)が、10月16日、岡山市の宗忠神社武道館で開かれた。岡山からは、伝統の吉備楽や書画家、演奏家らが参加、大いに親善・交流を深めた。

  岡山市を訪れたのは、洛陽市芸術家訪日団(王綉団長)の11人。  牡丹画家として知られる王団長は洛陽市人民対外友好協会副会長で、副団長の楊虹氏は洛陽古琴学会会長。それに、団員の葉維莉氏は洛陽東方書画院院長と、洛陽を代表する芸術家がズラリ。
  一行は、15日、上海経由で岡山入り。翌日、代表団は岡山市役所に大森雅夫市長を表敬訪問、懇談した後、午後3時からの交流会に臨んだ。会場には、岡山のアーティストたちが集い一行を迎えた。

  交流会では、片山浩子岡山市日中友好協会会長と王団長の挨拶の後、オープニングとして黒住教吉備楽十六日会(小野盛孝楽長)による吉備楽の舞楽が披露。
 洛陽からは琴や弦歌の演奏、岡山側からは小郷原筦山大師範による尺八と、熊代美香さんによる琴演奏。

  第二部の揮毫交流では、書家の佐藤白秀さんと、日本画家の佐藤安南さん、對馬有輝子さんらが、洛陽の画家や書道家と揮毫を競った。
 芸術家同士の交流は、当協会主催の歓迎会まで続いていた。  

 文化交流が実現して 本当に喜んでいます
                       
岡山市日中友好協会  会長 片 山 浩 子
 
交流会の開会式。あいさつする片山会長(武道館)
 

  訪日団の皆さま、ようこそ岡山に来ていただきました。心より歓迎申し上げます。
  私たちは、今年5月、大森雅夫岡山市長らと共に洛陽を訪問、洛陽市民や芸術家の皆さんの温かい歓迎を受けました。
  その時、もし岡山でこのような文化交流ができれば、と希望致しましたが、本日、このような形で実現しましたことを、本当に喜んでいます。

  訪日団結成にご尽力いただきました王琇先生はじめ洛陽市の皆さまのご努力に心より感謝申し上げます。
  本日は中国の民族楽器や日本伝統の吉備楽、それに絵画や書などの交流と、盛りだくさんの内容となりました。ゆっくりとご鑑賞いただければと思います。

  岡山市と洛陽市とは、長い友好の歴史があります。今後ともこのような民間交流を積極的に進めることによって、日中間の相互理解と友好促進を図ってまいりたいと考えております。

 お互いが学び合って 相互理解を深めよう
                         洛陽市芸術家訪日団  団長 王  綉

  本日、私たち洛陽市芸術家訪日団が、こうして岡山の皆さまと交流できる機会を得ましたことをたいへん嬉しく思っています。
  訪日団を代表して、洛陽市と岡山市の民間交流にご尽力、ご支援いただきました岡山市日中友好協会に心よりお礼申し上げます。
 ご参加いただきました皆さまにも感謝申し上げます。

  今年5月、大森雅夫市長と片山浩子会長が訪問団を引き連れて洛陽を訪問された時、洛陽市の古琴演奏などをお聞きいただきました。
  それをきっかけに、今回、こうして吉備楽団の皆さんの演奏をお聞きすることができ、また、岡山の芸術家の皆さんと交流できてたいへん嬉しく思っています。

  本日の交流会を通じてお互いが学び合い、相互理解を深めれば、大きな収穫になると確信しています。
 ありがとうございました。 

   
   小郷原筦山大師範の尺八
      曲目は「石清水」

 
           
        見事に咲いた牡丹絵。王団長(左から2人目)と片山会長(同3人目)


            
              洛陽道家の孫瑋珂氏(右)の揮毫


  
 
   洛陽古琴学会会長の楊虹さん(中央)を囲んで歓談



              
              中国伝統音楽の古琴演奏。右が楊虹会長

 
     
    書を語り合う佐藤白秀氏(右)と王団長

 
 
        
       黒住教吉備楽十六日会の管弦・舞楽

  
       
        画家、佐藤安南氏の筆使いを見入る参加者

熊代美香さんの日本琴演奏
 
[閉会挨拶]

 芸術文化の交流と ますますの発展を
                 岡山市日中友好協会 副会長 黒 住 昭 子


  本日は、平日の午後というお忙しい中にも係わらず、たくさんの方々が参加いただきありがとうございました。
  本日は、日中芸術家交流会と呼ぶにふさわしい日本、中国双方の第一線の芸術家の皆さんが、このような演奏や書画を披露していただくというまたとないチャンスをいただきました。

  そして演奏や揮毫交流を通じて日本、中国の芸術の特徴や違いといったものを、存分に楽しむことができました。
  音楽の分野でも書の分野でも、そのルーツは中国にあって日本に伝わってきたものです。やはり、日本と中国はそれぞれに、同じ文化の精神が流れていることを、強く実感したひと時でした。

  今日のこの機会をきっかけに日本と中国、岡山と洛陽の芸術文化の交流がますます発展することを願ってやみません。
 交流会の開催に当りましてご協力いただきました芸術家の皆さま、関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。  
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洛陽市芸術家訪日団
     大森岡山市長を表敬

大森市長を囲んで (岡山市役所)
  洛陽市芸術家訪日団(王綉団長)の一行は、10月16日午後1時、岡山市役所を訪れ、市役所三階の会議室で、大森雅夫市長を表敬した。
  市からは田淵薫市民局長、井上淳市民局統括審議監、山神一正市民局審議官、谷利雅喜国際課長らが同席した。

  大森市長は、洛陽市人民対外友好協会副会長でもある王団長を始めとする洛陽市芸術家訪日団の来岡を歓迎。
  今年5月に洛陽を訪問した時に、李柳身洛陽市長を始めとする洛陽市の方々の熱烈な歓迎を受けたことに感謝の意を述べ、気候の良いこの時期に岡山をゆっくり楽しんでくださいと語った。

  王団長は、大森市長が多忙の中、時間を割いて会見の機会をいただいたと感謝した。  そして、自身が1987年に最初に岡山を訪問して以来30回以上日本を訪問しているが、いつ来ても日本の印象はとても良く、特に33年間の友好都市交流の歴史を持つ岡山では温かい歓迎を受け、感謝していると述べた。

  また、今回、岡山市日中友好協会の尽力により、中国の古琴、笛と岡山の吉備楽や箏、尺八との民族楽器演奏交流と合わせ、書道家、画家の揮毫交流が実現できたことに感謝していると話した。

歓迎会盛り上がる
 
  宗忠神社での日中芸術家交流会の興奮が冷めない、その日の夜に、当協会主催の歓迎会が、岡山市北区尾上の神道山茶店で開かれた。
  岡山側からは、片山浩子会長をはじめ協会会員ら23人、それに訪日団が加わり総勢34人という盛大な歓迎会となった。

  片山会長の開会挨拶の後、訪日団の王綉団長が、交流会は大成功だったと興奮気味に話し、開催のために尽力した協会関係者への感謝の言葉を述べた。
  土井章弘副会長の乾杯の音頭で宴が始まり、新鮮な瀬戸内の魚、岡山の野菜を使った名物「大元鍋」に舌鼓を打ちながら、参加者同士が懇談、交流を深めた。
  洛陽市から持参した度数52度という杜康酒4本があっという間になくなるほど、あちこちで乾杯の声が聴かれていた。

インターキッズ報告会
      高校生3人が発表 
     

有意義だった発表
  インターキッズ「高校生懸賞論文受賞者洛陽市研修ツアー報告会」が、10月13日、岡山市の岡山国際交流センターで開かれた。

  今回の報告会は、こくさいこどもフォーラム(インターキッズ。今西通好会長)が今年8月に実施した洛陽への研修ツアーについての報告会で、関係者ら約30人が参加した。
  発表したのは、おかやま山陽高校2年の森山舞香さん、岡山操山高校3年の佐竹真生子さん、そして林野高校3年の岸本優希さんの3人。

  インターキッズが今年募集した岡山県高校生懸賞論文に応募し、21人の中から選ばれた生徒たちで、最優秀賞の森山さん、優秀賞の佐竹さんと岸本さんの3人が副賞として洛陽への研修ツアーに派遣された。

  報告会では、口々に日本で報道されている中国と実際行って見たり聞いたりした中国とで印象が変わったことや、経済的な格差についても感じたと語っていた。
  佐竹さんは5歳の時から習っている琴を携え、訪問した洛陽外国語学校やホームステイ先で演奏し友好を深めた。

  インターキッズの今西会長は今年、予想以上の成果があったのは、長年にわたり交流を継続してきた岡山市日中友好協会の存在があったからと高く評価、来年以降も継続したいと語っていた。 
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瀬戸内日中友好卓球交流会
     「一縁融合」機関誌を創刊

  岡山、香川地区を中心に、卓球を通じての日中友好交流活動と取り組んでいる瀬戸内日中友好卓球交流会(村上尚会長)は、10月25日、会報となる「一縁融合」=写真=を創刊した。

 創刊号では、「今後この交流活動を継続することにより相互理解を深めたい」との村上会長の決意が述べられ、同交流会のこれまでの活動経過がまとめられている。
 特別顧問の松崎キミ代さんと、深津尚子さんが寄稿、第1回の交流で訪中した子供たちの感想文も掲載している。

 題号の「一縁融合」は「自分が半円、相手も半円、融合して一円。相手の立場と考えを理解してから自分の意見も分かってもらう。そこからスタートすれば双方の半円が融合して事が前に進む」といった意味を込めたという。

 題字の揮毫は松崎キミ代さん。サイズはA4判、8ページ建て。約300部製作し、会員、卓球関係者等に配布。交流会では、今後年2回程度の会報の発行を予定している。
 問い合せ・連絡先は、同交流会事務局(岡山市日中友好協会内、電話・岡山225−5068)

河南省信陽市から 書家の鶴氏ら来岡

  新見市と友好都市縁組をしている河南省信陽市溮河区から、9月21日、書道家の鶴年嶺氏と随行通訳の賈鉄さんが上海岡山便で来岡した。
 鶴氏は信陽市書法家協会の副主席で、中国書法家協会の会員でもある。

  新見市では、国際交流協会の受け入れにより、新見市立美術館見学や書道協会の会員らと交流。夜は国際交流協会の土屋宣会長宅にホームステイし、千屋牛や地元産の食事で楽しく過ごした。
  23日には当協会を訪問し、松井三平理事事務局長らと昼食を共にした後、事務所で懇談した。鶴氏か
らは書道交流の希望が出された。

  鶴氏は、溮河区栄誉区民である田口光代さんが百歳になる事を聞き、「寿」という字を、また、松井理事には「縁」という字を即席揮毫、それぞれ贈呈した。

建国65周年記念
     国慶節祝賀会
 
馮帆さん
  中華人民共和国建国65周年を記念した今年の国慶節祝賀会が、9月26日、大阪市内のホテルで開かれた。
 
  開会挨拶で劉毅仁総領事は、中国が習近平総書記の指導の下に経済的に発展し世界的に影響力が増していること、日本の対中投資額が減っており、日本の経済にとっても日中関係の改善が必要であることなどを強調した。
  レセプションには、西日本各地から行政、日中友好団体、華人華僑ら約300人が参加。当協会からは会長代理として松井三平理事事務局長が出席した。

蘆さん(右)と姜さん
  会場で、懐かしい再会があった。元八仙閣の蘆志鴻社長と姜成生店長の2人が神戸からそろって参加されていた。
  当協会設立の前年に岡山駅前にオープンした八仙閣は日中友好活動の拠点としての役割もあった。范曽美術館設立や、八仙閣スタッフと日本の数人が参加して作っていた野球部のことなど30年前の昔話に花が咲いた。

  また、総領事館の人事異動も確認できた。政治文化室長で今年2月の当協会の総会にも出席いただいた張平氏が9月初め急遽福岡総領事に赴任されたこと。
  現在の室長は空席で宋雄偉氏が代理。また、名司会役の胡元元さんは帰国し、後任に河南省外事弁公室から馮帆氏が着任していた。 (松井記)
 
雲南地震募金 
  ご協力いただいた皆さん
        =順不同、敬称略=
【10万円】岡山市連合婦人会
【5万円】岡山県高等学校長協会
【3万円】岡山ガス株式会社、岡山県市議会議長会
【22566円】高梁市秘書政策課
【2万円】NPO法人井原日中友好経済交流協会
【1万円】稲谷祐慈、岡本啓、岡山県精神科医療センター、岡山県特別支援学校校長会、岡山放送株式会社、片岡弘子、片岡正文、公益社団法人岡山県医師会、社会医療法人岡村一心堂病院、専門学校岡山ビジネスカレッジ、玉野市長 黒田晋、新見市国際交流協会、日本労働組合総連合会岡山県連合会、ひかり薬局、松井三平、山本直樹
【9200円】岡山県看護協会
【7686円】岡山県興譲館高等学校友信会
【5千円】岡山外語学院、岡山旭東病院、長尾冨佐恵、西上忠志
【4千円】秋本晄久、荒木敏雄、一般社団法人岡山経済同友会 萩原邦章、岡本多太資、角南功治、木山敬太郎、総社南高等学校校長 藤澤薫、高渕宣雄、中原富士雄、室賀康史、李康烈
【3千円】秋月皓淳、石井公平、黒住昭子、長泉寺、徳永尚子
【2千円】逢澤茂美、綾野富美子、荒木安子、板野忠司、今井勇、岩藤稔、大森絢子、岡田浩明、岡山県美作県民局 村木正司、小野原啓次、片山主計、学校法人興譲館、門野八洲雄、倉敷市立倉敷翔南高等学校、坂本睦士、末光茂、中川保道、中山正昭、西哲夫、則武卓巳、三澤初子、森崎岩之助、山本寛、由藤勝広、吉井常浩、吉本正志 
  10月24日まで協会到着分 総額56万452円 

会員消息
 【入会者】
   久田 利寛さん (倉敷市)
   塚村 淑子さん (岡山市)
   大谷 和正さん (東京都)
   藤本 香菜さん (岡山市)
 
活動日誌
  8/ 7…洛陽、于愛紅さん歓迎会(「雪路」)
  8/11…会報「岡山と中国」8月号発送作業(協会)
  8/18…インターキッズ洛陽へ出発(岡山空港~22)
  8/31…浪乗り会特別講座「道上知弘先生」(協会)
  9/ 8…協会理事会(協会)
  9/11…三誌友の会例会(ピュアリティまきび)
  9/20…瀬戸内日中友好卓球交流会編集委員会(協会)
  9/24…ONIビジョン生放送(松井事務局長)日中芸術交流会広報
  9/26…中国建国65年レセプション(ホテルニューオオタニ)
  9/27…大連派遣高校生反省会。写真交換会(県生涯学習センター)
 10/ 9…三誌友の会例会(ピュアリティまきび)
 10/15…洛陽市芸術家交流訪日団来岡(岡山空港)
 10/16…日中芸術交流会(宗忠神社武道館)・協会主催歓迎会(神道山茶店) 

先憂後楽

  今回迎えた洛陽市芸術家訪日団のお土産に考えさせられた。ほとんどの団員が画家や書家、音楽家という芸術家であったので特別とも言えるが、岡山市や協会などへのお土産はすべてオリジナルの作品だった。団員の対外友好協会理事の郭亜軍さんによると「国家元首に贈られるものと同じ精品ばかり」という。

牡丹磁

桜の花は立体的になっている。
直径約27㎝
  たまたま10月号の『人民中国』誌に洛陽の記事があり、その中に「牡丹磁」が紹介されている。それによると、岡山市などに贈られた、富士山の絵の皿の上に桜と牡丹の花をちりばめ日中友好をモチーフにした皿の焼き物は、その「牡丹磁」だった。売価にして1万元から2万元、つまり20万円はするという。

  古来より中国の人々はお土産に心を配る。面子もあろうが、思いを伝えたいという面もあろう。中国語では礼品という。中国の言葉に『千里送鵞毛』というのがある。遠い所からガチョウの毛を届けるというのが直訳だが、ガチョウの毛のように軽くても心をこめてお土産を贈る、値段の問題ではないという意味になる。

  最近の日本側からのお土産はどうか。役所や大学などで、ゆるキャラ的なキーホルダーとかオリジナルクリアファイルなどで済ましているのが見受けられる。トップの人が何かの記念に作ったボールペンを自慢げに差し上げる光景はいかにもさみしい。

  日本人こそお土産に心を配るべきだと思う。たかがお土産、されどお土産である。(松)
 


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