日中国交正常化45周年
2017年2月
平成29年2月
  243号

発行人 片山浩子
編集人 松井三平

 2017年度  
  定期総会
 
  国交正常化45周年事業の推進
 岡崎嘉平太精神を呼び覚まそう
  特定非営利活動法人(仮認定NPO)岡山市日中友好協会(片山浩子会長)は、2月18日、JR岡山駅西口のANAクラウンプラザホテル岡山で、2017年度(平成29年度)定期総会と新春互礼会、それに日中国交正常化45周年記念講演会を開いた。総会では、前年度の事業報告書、活動計算書などを承認、新年度の事業計画書案などを審議し決定。役員改選では片山会長らを再選した。朱金諾氏と沖國鎮氏による記念講演会も満員の盛況だった。
片山浩子会長
  定期総会は、午前9時から天野勝昭理事の司会で開会、片山会長の挨拶
の後、議長に高木文彦理事を選出し進行した。

  片山会長は、この中で「今年は日中国交正常化45周年という節目の年に当たる。会員の皆さんが参加できる活動を中心に日中友好の輪を広げるよう努力していきたい。私たちは一民間の市民団体ではあるけれども、志は高く持って地道な日々の活動を通じて日中友好の輪が広がることに貢献していきたい」と決意を述べた。

  議事に入り、2016年度の事業報告書、活動計算書について、松井三平専務理事が説明、監査報告を高渕宣雄監事が行い、審議の上、承認された。
  引き続き2017年度の事業計画書案、活動予算書案についても松井専務理事が提案理由を説明、審議の結果、原案通り決定した。

  新年度の重点活動目標として挙げられたのは、第一に日中国交正常化45周年記念事業との取り組み。
  友好都市との交流については、従来からの洛陽市との都市交流に加え、天津市との交流促進、医療や福祉等各分野での実質交流等。
  中国語センターを 全面改革し、拡充
 また、中国語センターの改革や、友好交流活動に携わる若い後継者の育成とも取り組む事にしている。
2017年度定期総会(議長・高木文彦理事)
日中国交正常化45周年記念講演会

















  日中国交正常化45周年記念講演会は10時からスタート
  まず、全日空中国室の朱金諾氏が「日中友好の架け橋 岡崎嘉平太先生の思い出(今こそ岡崎精神で日中友好の絆を)」と題して講演。
  朱氏は、永年にわたって岡崎氏の秘書を務めた経験を基に、岡崎精神の重要性について所感を話し、日中友好の必要性を力説した。

  次に、OKI国際コンサルティングの沖國鎮氏が「中国の統治から来る市民生活と企業運営について」話した。
  沖氏は中国との「付き合い方」について、具体例を挙げながら解説。日本の中国進出企業の運営の仕方に、いろいろアドバイスしていた。

  講演会会場は、参加者で満席となり、講師の話に頷いている人たちも多く、中国問題への関心の深さを見せつけていた。(講演内容については、次号に要旨を掲載予定)

 互礼会は賑やかに 中国人留学生らも
  新春互礼会は、午後零時半から行われた。黒住昭子副会長の司会で開会、片山会長、来賓の岡山市長代理 繁定昭男副市長、江田五月日中友好会館会長の挨拶の後、黒瀬定生岡山県日中懇話会会長の乾杯で開宴。
  講演会講師や招待された中国人留学生らも交えて賑やかに懇談。抽選会やバザーなどもあり盛り上がっていた。
2017年日中友好新春互礼会
役員改選  会長に片山氏を再選
          近藤、永山、土井、黒住、宮本副会長留任
  岡山市日中友好協会の役員改選は、定期総会で行われた。会長の片山浩子氏を始め、副会長の近藤弦之介、永山久人、土井章弘、黒住昭子、宮本光研の各氏も留任。
  専務理事の松井三平氏も留任。理事では、塚村淑子(塚村造園土木取締役)、道上知弘(中国語講師)の両氏が新たに選任された。
  任期は平成31年2月までの2年間。 (顧問、参与を含む役員名簿は最後尾に掲載)
 
「市民みんなで日中友好」
      設立理念に思いを馳せて
 
  日中国交正常化45周年の本年は、正に「温故知新」の気持ちで活動が展開されると思う。
  国交回復運動に身をささげた私たちの先輩の情熱に思いを馳せ、合わせてこれからの友好交流をどのように推進し繋げていくかを模索していく活動を展開したい。

  4月に計画している岡山市民訪問団はその皮切りとなるもので、上海市での内山完造先生顕彰活動と交流の窓口である上海市友好協会と懇談する。
  そして洛陽市では牡丹祭り参加と緑化活動。市民交流の旅に一人でも多くの会員、市民の方が参加されることを期待している。
  また、今後の交流は、高齢化と少子化、そして環境保護という日中両国が直面している喫緊の社会問題解決に対応すべく、医療福祉、青少年交流、環境等、意識的に推進したい。

  中国語センターのリニューアルでは、知見豊富な道上知弘講師を迎え、様々な中国語ニーズに応えられるセンターとして成長させたい。
  経済界のみならず交流の分野においても日本と中国の懸け橋となる人材育成に寄与したい。

  認定NPO申請は、日中交流の分野で責任と実行力ある協会組織をつくるために、どうしても認可を勝ち取りたいと考えている。
  ただ、組織は運動を活発にするための手段であって目的ではない。前提にあるのは「市民みんなで日中友好」という昭和56年設立された時の設立理念である。
  そのためにも、多くの会員が参加できる活動の場を提案していきたい。
  本年は、より積極的にこのような活動を会員の皆さまと一緒に推進して行きたい。 
2017年度(平成29年度)事業計画 
  今年度の事業計画については平成29年度 事業計画書、および平成29年度 活動予算書を参照
2016年度(平成28年度)事業報告
  昨年度の事業報告については平成28年度 事業報告、および平成28年度 活動計算書を参照
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 福祉教育交流
    上海市から訪日団 旭川荘などを視察          
演録から
  上海市人民対外友好協会訪日団が、2月22日、岡山を訪れた。一行は、曹海炯上海市人民対外友好協会日本処長を始めとする6人で、旭川荘訪問や当協会との昼食会に参加した。

  旭川荘では末光茂理事長等と懇談し、今後の福祉交流について話し合ったほか、故江草安彦先生の足跡を展示している同荘内の「敬愛館」を見学。翌日は、瀬戸大橋や後楽園を見学した後、当協会主催の昼食会に臨んだ。
協会主催昼食会で懇談

 
  会には、岡山県高等学校文化連盟会長の浅沼淳岡山城東高校校長と岡山県日中教育交流協議会会長の岡本啓県生涯学習センター所長、旭川荘の小幡篤志日中医療研修センター所長が出席。協会からは片山会長、土井、黒住両副会長らが参加した。

  今後、上海市と教育、文化の各領域における具体的な交流内容が話し合われた。

  上海市訪日団には、曹処長の他、呉昌碩記念館の館長で呉先生の曾孫に当たる呉越先生と夫人、弁公室の楊冰一常務理事、馬筌日本処理事、楼文博静安区外事弁公室副主任科員が参加した。
 
緑化交流
    日中緑化交流事業 洛陽で今年も実施
  日中緑化交流基金主催の平成28年度助成事業実施担当者打合わせ会議が、2月13日、東京・砂防会館で開かれた。

  会議には、全国の助成を受けている団体から34人が参加。当協会からは松井三平専務理事が出席した。
  冒頭、挨拶に立った梶谷辰哉事務局長は、この事業が始まって16年目になり、これまでに中国で植林した面積は、総計6万7千ヘクタールに及び、当初予定された百億円の基金は本年6月には約6億円の残金となる見通しであることが報告された。
担当者打合わせ会議(東京)


  このため、今後については新規の事業は受け付けられなくなる可能性を示唆した。

  当協会は、この日中緑化基金の助成により、友好都市の洛陽市孟津県の黄河沿いで、洛陽市人民対外友好協会をカウンターパートとして、10年間継続して植林協力事業をしてきた。

  今後、日本政府は、この成果を踏まえ更に発展させるべく、青少年交流や第三国での日中両国の青少年の植林作業も支援する形で基金を積み増しする計画もあるという。
 
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教育交流・高校生らが報告会
  岡山県日中教育交流協議会(岡本啓会長)主催で昨年実施された日中青年交流事業『STUDENT EXCHANGE』の報告会が、2月11日、岡山市北区の岡山県立生涯学習センターで開催された。
  報告会には、交流プログラムに参加した8人の高校生を始め、福武教育文化財団や岡山県高等学校文化連盟、協議会役員等20人が参加した。
交流成果を報告
  開会にあたり、同協議会の岡本会長が、平成11年の協議会設立以来の歩みを回顧しながら挨拶。

  平成17年から始まったこの日中高校生交流が、日中関係や諸事情により、必ずしも順風満帆ではなかった中で継続して実施されていることを紹介し、関係者の努力と協力に対し感謝の意を表した。
  報告会では、訪問団の岡本団長が概括を報告。引率として同行した倉敷青陵高等学校の宮原孝光教諭が、自らの参加の動機や英語教育の違いなどについて報告した。

  続いて昨年10月に上海市第一中学訪日団との高校生交流を受け入れた岡山大安寺中等教育学校の大本圭教諭が、生徒会が自主的にプログラムを作成し交流したこと等について画像を使って説明した。
  その後参加生徒が、一人ずつパワーポイントや口頭で報告した。
  就実高校の西田さくらさんは、動画を使って報告を行い「日本では中国の悪い面は報道されるが良い面はあまり伝えられない。実際、目で見て触れあうことで、正しい理解が深まることを学んだ」と語っていた。
  それぞれの高校生の報告の詳細は協議会の会報『悠久』で掲載される予定。

  協議会では、来年度も継続して日中高校生交流を実施する予定で、既に中国側の交流窓口である上海市人民対外友好協会を通じて打診しており、4月早々にも県下の各高校に対して募集活動を始める予定にしている。
  日中国交正常化45周年を迎え、今後ますます重要なパートナーとなる中国との交流の担い手となる青少年の育成は大きな課題であり、協議会の活動に大きな期待が寄せられている。

第1回西日本地区日中友好交流大会  2017年2月21日
                                          ホテルニューオータニ大阪
  主催は、大阪府日中友好協会と中国駐大阪総領事館。
  主要参加者の顔ぶれは、
  日本側が谷井昭雄府日中友好協会長、松井一郎府知事、二階俊博自民党幹事長、 丹羽宇一郎元中国大使ら。
  中国側は李小林中国人民対外友好協会長、程永華大使、李天然大阪総領事ら。唐家璇中日友好協会会長の祝電もあった。
  当協会からは片山浩子会長ら 4 人が出席した。  

                             
会員消息
【入会者】
   増谷 誠さん(那須塩原市)
   佐藤 美由樹さん(岡山市)
   前田 高宏さん(赤磐市)
活動日誌
 1/23…理事会・新年会
 2/ 9…中国語センター運営委員会(協会)
 2/11…日中教育交流発表会(県生涯学習センター)
 2/12…瀬戸内日中友好卓球交流会総会・理事会(サンピーチ岡山)
 2/13…日中緑化交流基金事務担当者会議(東京・砂防会館)
 2/18…協会総会・講演会・互礼会(ANAクラウンプラザホテル岡山)
 2/21…西日本地区日中友好交流会議(大阪・ホテルニューオオタニ)
 2/22…上海市人民対外友好協会訪日団来岡(旭川荘、倉敷、岡山)
 2/23…上海対友協歓迎昼食会(セラヴィ)
 3/ 1…会報「岡山と中国」発送(協会)
 3/ 1…農民画展覧会開幕式(美作・作東美術館) 
先憂後楽
  大阪で第1回西日本日中友好交流会議が開催された。日中国交正常化45周年記念ということもあり、中国からも広東や湖南、江西、上海など市・省政府外事弁公室からの代表や在阪華僑華人らも多く、西日本地区の日中友好団体や行政からの参加者含め、日中総勢9百余名が会場のホテルニューオオタニを埋めた。

  メイン主催は大阪府日中友好協会と中国駐日大阪総領事館。それに日中友好協会、中国人民対外友好協会、中日友好協会も協力しそれぞれの代表が祝辞を述べた。

  この情景を見て改めて考えた。中国側は公的機関であり、日本側は民間団体ということだ。日中の共催で事業をする場合、費用負担はヒフティヒフティになるだろうが、日本側の懐は心もとない。かといって全て中国側の資金で実施されるのも問題だろう。

  中国は国策として日中友好を位置づけ、日本は非営利民間活動として行っている。中国には身分も待遇も保証された、優秀なスタッフがいる。片や、我が日本側はというと、心は熱く活動意欲満々であるが、大方の組織は財政基盤が弱く活動の報酬は必ずしも保証されていない。各地の友好団体は創意工夫で経費を捻出しているのが現実だ。

  民が官を促す、『以民促官』が言われて久しいが、これからは民間の活力と官の費用を組み合わせる『官民合作』の工夫が必要になる。首長さんの強いリーダーシップを願いたい。   (松)



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