日中国交正常化45周年
2017年10月
平成29年10月
  247号

発行人 片山浩子
編集人 松井三平

特 集 2017年にー[5]
             羽ばたく!!
          
                         日中国交正常化45周年
   

    国際的な広い視野を持った人になり国際貢献もしたい

    住吉さん              新谷さん        
 
  上海で高校生交流した
           清心女子高校3年

                 すみよし あゆみ
                 住吉亜侑美 さん
                 にいや  しょうこ
                 新谷  尚子 さん

交流に参加するきっかけ
  私たちは、学校で週に2時間中国語の授業をとっています。この講座は、1999年から始まり19年間続いています。授業では中国語だけでなく、社会や文化についても学んでいます。
  その授業を通して中国について興味を持ち、本当の中国を自分の目で確かめてみたいと思ったからです。

初めての中国の印象
  車やバイク、人が想像以上に多くとても圧倒されました。建物も高層ビルばかりで日本とは違った町並みを見ることができました。
  上海環球金融中心のスカイウォークを体験し、上海の景色を一望できました。上海の技術力の高さや、活気のある人々の生活を見ることができ、先進国ならではの世界観にとても魅了されました。

上海での交流、活動
  上海第一中学校を訪問し、お互いに自分の国のクイズを出したり、ダンスや歌を披露したりしました。英語の授業や習字の授業を体験しました。放課後は、ホストファミリーとショッピングや博物館などに行きました。とても楽しかったです。

感じたこと驚いたこと
  中国の高校生は日本人よりも英語を積極的に話します。また、日本のアニメ文化などに興味があり、日本語を個人的に勉強している人もいました。アニメ文化は日本よりも浸透していて、私たちが知らない日本のアニメも知っていて驚きました。

交流を通じ学んだこと
  まさに「百聞は一見に如かず」だと思いました。メディアなどで報じられている中国のニュースは悪いものが多いため、私たちも少し偏見を持っている部分もありましたが、実際に現地の方と交流してみて、とても優しく、明るく、フレンドリーで良い人たちばかりだということを知りました。

この経験をどう生かすか
  自分たちが実際に見てきたことを、周りの人に伝え、もっと中国の良さを多くの人に伝えたい。そして、将来的な日中の友好改善に繋がって欲しいと思います。

将来の〝夢〟は
  国際的な広い視野を持った人になりたい。今回は中国に行きましたが、中国だけでなく他の国にも目を向け自分の見聞や知識を深めていきたいと思います。同時に国際貢献もしていきたいです。

高校の友人には
 より多くの高校生に交流事業に参加して、実際に中国を見てもらいたいです。

◎岡山市日中友好協会◎
      認定NPO法人に正式認証

                  準備4年、岡山市から認証通知受ける

  岡山市日中友好協会(片山浩子会長)への認定NPO法人認証通知が、9月27日、岡山市の市民協働推進課から手渡されました。
  この日、協会からは松井専務理事と平野事務局員が出向いて認証通知を受け取り、引き続き担当係員から認証後の諸注意事項などについて説明を受けました。

  苦節4年の準備を経て認証を受けた当協会の認定NPO法人は、岡山では12番目、全国の日中友好協会名団体の中では東京都、金沢市について3番目となる快挙です。

  この認定NPO法人のメリットとしては、まず第一に社会的評価が格段に向上することです。
  また、個人、法人または相続人等が認定NPO法人に寄附をした場合、所得税、個人住民税、相続税あるいは損金算入等において税制上の優遇措置が受けられることがあります。

  その詳細については後日ホームページ等でご案内する予定です。
  認定NPO法人となった協会には、今後の活発な活動が期待されます。

中華人民共和国建国68周年
     祝賀レセプション

                      “一帯一路”参加呼び掛け
                      李天然総領事夫妻ら出席

挨拶する李天燃総領事
  中華人民共和国の建国68周年を祝う記念レセプションが、9月28日、大阪市のホテルニューオオタニ大阪で盛大に開催されました。

  駐大阪総領事館の李天然総領事は開会挨拶の中で「同時刻に東京で開催されている祝賀会には初めて安倍総理が参加される。日本と中国がウィンウィンの関係になっていくことを望んでいる」と〝一帯一路〟への積極的な参加を呼びかけておられました。
総領事夫人の李錦霞女史(中央)と
  この日、会場のロビーには、中国各地の世界遺産をはじめとする数々の景勝地の写真が飾られ、中国の魅力をアピールしていました。また、ショートムービーも放映され、明るい未来へのイメージを盛り上げていました。

  会場には、関西圏を中心に西日本の各地行政関係者や友好団体、そして華人華僑、中国留学生らが多数参加しておられ、李総領事夫妻等を交えて、和やかに歓談しました。
                      (黒住昭子・記) 
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 認定NPO法人の認証を受けて

                      岡山市日中友好協会 会長 片山浩子

  皆様のご協力に敬意と感謝

  このたび、当協会は岡山市より「認定NPO法人」の認証を受けました。
  この認証をいただき、単に書類手続きでクリアできたという喜びだけではなく、設立以来一貫して市民に根ざした活動を、健全な組織運営により展開してきたことが評価されたものと、大変嬉しく思う次第です。 
  協会を支えていただいている会員や賛助会員の方々、そして既に鬼籍に入られた多くの先輩の方々に対し、深甚なる敬意と感謝の意を表したいと思います。 

  これまでの経緯をふり返りますと、1981年の当協会設立後、2003年にはNPO法人の設立総会を開き、それまでの任意団体から法人化への第一歩を踏み出しました。
  2013年の総会において認定NPO法人を目指す事を方針に掲げ、定款の変更や文言の改訂など条件整備を進めてきました。
  そして本年3月に申請書を提出、4月6日に審査が行なわれ、9月27日に認証通知に至りました。

  この申請手続きについて、他の多くの団体では専門の業者の方に依頼して準備するところ、協会では全て事務局員が自前で膨大な書類整備と条件整備をしてきました。
  経費面への貢献のみならずこの素晴らしい人材を得ていることが協会の財産でもあります。紙上をお借りし改めて謝意を表します。

  私どもは、認定NPO法人の名に恥じないよう、更に広く支持される日中友好市民団体として一層精進して参りたいと存じます。
  今後とも会員・賛助会員の皆様はじめ、市民の皆さまには、より一層のご支持ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

上映会   
      兄と弟“満州おもいでの河へ”

                      体験談を共有し感動と涙

 
  中国残留孤児問題を扱ったTVドキュメンタリー「兄と弟〝満州おもいでの河へ」(関西テレビ)のビデオ上映会が、このほど、岡山市北区奉還町の岡山国際交流センター地下レセプションホールで開かれた。

  会場には、当協会会員を始め、残留孤児問題と取り組む研究者や活動家、それに満蒙開拓団体験者ら約70人が詰めかけ満員の盛況。

  ドキュメンタリーでは、終戦の混乱の中で戦争孤児となりながらやっとの思いで帰国した兄と、混乱の中で残留孤児となり中国人に育てられ戦後40数年後に帰国を果たした弟、この黒田兄弟の足跡をたどり、この開拓団兄弟家族が住んでいた〝おもいでの河〟を訪ねている。

  帰国して再会した兄弟だったが、日本語しか話せない兄と、中国語しか話せない弟との間の、言葉や文化の壁に悩む葛藤も描いている。
  満蒙開拓団や残留孤児問題に関心を持つ人たちだけに、映像を食い入るように見る人がほとんどで、目頭を押さえる人も多かった。
  上映の後、開拓団体験者や制作した関西テレビスタッフも交えて懇談会が開かれた。戦中当時の体験談や、現地取材上の苦労話などが紹介され、参加者は熱心に聞き入っていた。

  同テレビの制作については、当協会も全面的に協力、現地に同行し、現地取材の支援などバックアップした。   同番組は、平成28年度の文化庁芸術祭参加番組として関西テレビが制作。坂田記念ジャーナリズム賞を受賞している。
  岡山では、岡山放送(OHK)が深夜帯で放送した。 

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特 集   2017 STUDENT EXCHANGE IN 岡山
      深まった友情と見聞
                         主催:岡山県日中教育交流協議会

引率教諭との懇談
 上海から高校生15人来岡
 岡山操山高校で学校体験


  岡山県と上海市の高校生が、相互訪問を通じて理解と友情を深めようという高校生交流事業(「2017 STUDENT EXCHANGE IN 上海・岡山」)が本年も実施され、今秋には上海から高校生15人が来岡、親交を深めた。

  主催したのは岡山県日中教育交流協議会(会長・岡本啓おかやま希望学園園長)。本年は、昨年に引き続き、上海市第一中学の高校生15人と引率の2人の先生が来日した。

操山高校の生徒と共にハンバーグ定食の昼食。交流はまず“食”から (操山高校食堂)
  一行は9月30日から10月4日の間、岡山と大阪で交流し見聞と友情を深めた。
  岡山では、岡山操山中学校・高校で学校生活体験、そして今夏上海を訪問した岡山の高校生との交歓会と一泊のホームステイを体験した。
          ○
  10月2日、上海の高校生一行は岡山操山高校を訪問した。正午に同校に到着した生徒らは、近藤治校長ら教職員の出迎えを受けた後、食堂に直行。
  操山高校の生徒と共に昼食のハンバーグ定食をほおばった。その後、国語、英語、数学などの教室に入り、授業を体験した。

  放課後には部活動を見学。あいにく雨が降っていたので、運動場での部活は見られず、武道場や体育館で剣道や柔道、バスケットなどを見学した。

パフォーマンスでダンスを披露する上海の高校生
  中国では日本のように、先生が指導して生徒のほとんどが参加するような部活動はなく、社団という言い方のサークル活動があり、教科として先生が指導しているものもあれば自主的な活動になっているものもあるという。
  そのため、日本の生徒が熱心に部活に取組んでいる様子は珍しいもののようだった。
                  ○
  交歓会は、10月1日の夜、ホームステイから帰ってきた上海の生徒を迎えて「ピュアリティまきび」で賑やかに開催され、ホストファミリー受入れ家族も含めて約50人が参加した。
  日本側の高校生は、今夏上海を訪問した生徒たちで、全員浴衣姿で登場。司会進行は生徒が行い、茶道体験や二胡の演奏、ゲームなどを披露した。


交歓会ではテーブルを囲み歓談。
ホストファミリーの家族も加わって賑やかだったこと−
  上海側の生徒も歌と踊りなど、見事なパフォーマンスで会場をわかせた。
  閉会後も写真を取り合ったり話をしたりして、名残を惜しんでいた。

  上海で初めて出会い岡山で再会した高校生たちの心の中には忘れ難い思い出が刻まれたことだろう。
      ○
  上海市の高校生らは10月3日に岡山を離れ、大阪へ向かい、府立三国丘高校を訪問。さらに観光や買い物を楽しんだ後、同4日に関西空港から帰国の途についた。
 
  
 

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報告  太極拳のふるさと〝陳家溝〟を訪ねる旅
     本場の特別指導に大満足
                          華武太極拳クラブ 国定 剛 

笑顔の参加者のみなさん
  岡山を拠点に太極拳の指導を行っている王革さんが主宰する華武太極拳クラブの活動が、今年で20周年の節目を迎えました。
  その記念イベントの一環として、同クラブの会員有志で、太極拳発祥の地である河南省〝陳家溝を訪ねる旅〟に行って来ました。

  9月15日から同19日までの5日間で、その他、少林寺、洛陽、上海も巡る盛りだくさんの日程でした。
  陳家溝は、岡山市の友好都市である洛陽市からは、車で東へ約2時間程度の所にあります。

始祖・陳王廷の銅像と奥手は中国太極拳博物館
  80年代の香港映画の影響で一大観光地と化した少林寺とは対極にある静かな落ち着いた街でした。
  最初に見学した「太極拳祖祠」では太極拳の起源や理論を記した石碑の説明などを受けました。
  広大な敷地の奥には「中国太極拳博物館」が高く聳え、その前の広場には太極拳の基礎を確立した始祖陳王廷の銅像が屹立していました。

  今回の目的のひとつは、この太極拳のふるさとで、直接本場の指導者に特別指導いただくことでした。
  場所は陳家溝国際太極院という所で、陳式太極拳四天王のひとりである陳小旺氏が名誉院長を務め、国内外の多くの大会でチャンピオンを輩出している太極拳専門学院です。
  私たちを指導してくれたのは、その中でも特に実力のある任攀峰コーチでした。内容は「放松功」が中心で、体の力を抜きリラックスした状態で行う基本動作を丁寧に指導していただきました。
牡丹広場での早朝演武                              本場の指導者の特別指導
  1時間程度の短い時間ではありましたが、最後は任コーチの模範演技も見せていただき一同感無量でした。
  洛陽では、宿泊した友誼賓館前の牡丹広場に早朝繰出し、当地の太極拳愛好者と24式や太極扇など、いくつかの種目を一緒に演武しました。
  太極拳による友好交流も楽しむことができ、20周年にふさわしい本当に充実した研修旅行となりました。

 
中国留学生学友会が授与   当協会に「特別栄誉賞」

  岡山県中国留学生学友会(神克礼会長)は、10月29日、日中国交正常化45周年を記念し、岡山県内に留学し、各方面で学術・文化等の分野で日中友好に貢献した中国人学者等10人と日本の関係者に対し、特別栄誉賞を授与。
  岡山市日中友好協会は「特別栄誉賞」を受賞した。
  神会長によると、今回のような授与は初めてだが、中国大使館とも協議し計画したもので、日本の友好団体と協力して実施する事に意義があるという。

  当協会は中国人への栄誉賞授与に際し、協力団体としても名前を連ねている。
  当協会は、早くから生活支援や緊急医療支援活動などを通じて学友会とは交流を積み重ねており、信頼関係を築いてきている。

  学友会は、県下の大学等に留学している中国人の組織で、役員は28人。
  これら留学生は、これからの中国を担う貴重な人材であると同時に、日本と中国、岡山と中国を結ぶ友好の懸け橋となる人材でもある。
  今後協会としても更に連携を深めて共同の活動を提案していきたい。

活動日誌 
 8/21…江西省人民対外友好協会訪日団歓迎会(県日中懇話会主催)
 9/ 5…中国語センター運営委員会(事務所)
 9/15…協会理事会
 9/16…岡山高校生ボランティアアワード(きらめきプラザ)
 9/28…中国建国68周年祝賀レセプション(大阪・ホテルニューオオタニ)
 9/29…会報編集委員会(事務所)
 9/30…上海第1中学訪日団来岡(~10/4)
10/ 6…第1回敬愛塾(旭川荘厚生専門学院)
10/11…三誌友の会例会(まつのき亭)
10/18…県日中教育交流協議会会報「悠久」

会員消息 
  【入会者】  鈴木 暁子さん(倉敷市)  小幡 一さん(瀬戸内市)

先憂後楽
  協会が日中緑化交流基金助成により、洛陽市で実施してきた緑化事業が本年度申請で最後となる。基金そのものが底を突き、今後の継続について日本政府の確かな方向性が確定していないためで、他の団体も今年度申請で終了となる予定だ。

  協会がこの緑化事業を始めたのは、岡山市と洛陽市が友好都市関係凍結という事態になった平成15年だった。何とか友好のパイプをつなぎ、目に見える活動をしたいという想いと、洛陽での環境悪化に対する支援要望が重なり、募金による資金で始めた。

  自力での植樹活動から3年間、基金への申請を繰り返したが、なかなか批准されず、平成17年9月になって初めて助成金内定を受け取った。爾来、尖閣問題等で1年間の空白期間があったが、12年間にわたり、孟津県の黄河沿いの緑化を継続してきた。カウンターパートナーは劉典立元洛陽市長を会長とする洛陽市人民対外友好協会。そして、当方の緑化指導は牡丹苗の導入でお世話になっていた國忠征美さんにお願いした。

  先週、洛陽市で事務連絡をしていただいている于愛紅さんとしみじみ12年間を振り返った。毎回、基金事務局の厳しい指摘により何度も何度も申請書や報告書を作成しなおし、実施段階になっても、予定していた樹種が急に変更になるなど、様々な困難があった。そのつど、孟津県林業局と交渉し、また現場にも赴き、調整してきた。

  平成16年の「岡山と中国」紙上で植樹訪中団に参加した理事の赤木宣雄さんが書いている。「この植樹は、小浪底鎮の村人たちにとってもいいことなのだ。それは、孟津県にとっても、洛陽市にとっても、河南省にとっても、中華人民共和国にとっても、いいことなのだ。そして、それは我が愛する祖国、日本国にも、岡山県、岡山市にもいいことなのだ」と。この思いを洛陽の人々とも共有し、子々孫々の友好の支えになることを信じている。  (松)



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