新年特別号
設立40周年

2021年1月
令和3年1月
  266号

発行人 土井章弘
編集人 松井三平

 マスク支援で確認された日中の強い〝絆〟
若者や女性も参加した幅広い友好運動を  
 ポストコロナ時代の日中友好
’21 新春特別座談会
 
朱一丹
(学友会副会長)
   

劉若愚氏     
(学友会副会長)
 
張妍亭
(国費派遣
留学生代表


秦 嶺  
(学友会会長) 
 出席者の
  皆さん
 (写真順)
    
        
横溝政資氏 
(協会理事)

土井章弘
(協会会長)
 
星野耕平
(協会青年部代表)

 黒住昭子
(協会副会長)

 
 新しい日常下での新規交流スタイル
 
  コロナ禍を契機に世の中は大きく変わろうとしている。生活も働き方も正に激変の様相。当然、国際交流も変革の波の中にある。ならば新しい日常、今後の友好交流はどうなるのか。設立40周年を迎えた岡山市日中友好協会(土井章弘会長)は、次代を担う若い人たち、留学生等に集まって頂き、大いに語ってもらった。参加は、協会から土井会長を始め役員と青年部代表、岡山県中国人留学生学友からは秦嶺会長ら役員。

土井会長  本日は皆さんお集まり頂きありがとうございました。私たち、岡山市日中友好協会は今年、設立40周年という記念すべき年を迎えました。
  社会はコロナ禍で危機的状況にあり、友好交流にも厳しい影響が出、世の中は〝新しい日常〟〝働き方改革〟へ大きく変わろうとしています。
  新年に当たり、ポストコロナ時代の友好交流の在り方、方向について、新時代を担う若い皆さんに参加頂き、新時代の交流について論議してみたいと思います。

◇昨年一年間のコロナ禍の実情はどうだったですか。
 私たち岡山県中国人留学生学友会は毎年多くの日中文化交流イベントをしてきましたが、交流活動は全て影響を受けました。
  留学生たちの生活や学習も深刻でした。緊急事態宣言でお出かけもアルバイトも困難になりましたからね。
土井 病院もPCR検査とか対応で、どの医療現場も大変でした。うちの病院でも患者さんは2割くらい減少しましたからね。
 学友会としても、新しい学生が日本に来られなくなり学生数が減少、活動にもリスクがあり難しかった。
 国費留学を計画している多くの学生はまだ中国にいてビザが手に入らず来れない、こんな状態でした。影響はこれからも続くでしょうね。
 心理的ストレス 大変でした
 私は臨床医学を専攻しているのですが、この時期、留学生を見ていると、心理的ストレスは大変だったようです。自分も何時か感染するのではないか、経済的問題が起きたらどうしようか、多くの留学生が心配していました。

◇マスクが世界的にひっ迫した時、お互いに寄贈しあう〝マスク支援交流〟も見受けられました。
黒住 マスク不足は最初中国で起こり、それが日本で報道され、当時まだ日本ではそれほどひっ迫していませんでしたから「贈ろう」となったのです。しかし、いざマスクを集めようとすると店頭にはもう無い。苦労しました。
  岡山市は洛陽市と友好関係にありましたから、岡山市と合同で2月に贈りました。ところが3月頃になると日本が深刻なマスク不足となり、今度は洛陽市から3月末、支援のマスク3万枚が贈られてきたのです。
  「山川域を異にすれども春の訪れを共に待っている。牡丹と桜は次々と咲き誇る」。こんなメッセージが添えられていました。
  困った時に助け合えるということは、日頃からの交流関係があればこそなんですね。
  中日間には 美しい交流の歴史
 交流は非常に重要です。今回、一番印象が強く私達を感激させたのは、日本から贈られてきた支援物資のメッセージに「山川異域 風月同天」という漢詩が添えられていたことです。
  これは、日中の仏教交流史にある故事に由来するもので、唐の時代、日本の長屋王が唐の鑑真和上に贈った漢詩です。この要請を受けて鑑真は日本に渡るのです。
  中日間には昔からこうした美しい友好の歴史があるのです。私達も協力して中日友好に貢献するため、新しい歴史をつくりたいと思います。

◇新時代の友好交流、民間交流の意義について。
  関わり方の知恵 お互い出し合おう
土井 私たち人間は一人だけでは生きていけません。皆が関わって生きていかねばならないのです。国もそう、個人も同じです。
  だから〝関わり合いの知恵〟が必要です。知恵を出しあってお互いが友好を深めていくというのが、これからの生き方です。私ども友好協会は民間の交流を深め、人と人との繋がりを大切にしていきたいと思っています。
 人間社会は交流が一番重要です。特に異文化の場合は重要です。相互理解と相互信頼を深めるためにも民間交流が重要だと思います。
 秦嶺 氏         劉若愚 氏         張妍亭 氏       朱一丹 氏
     

土井章弘 氏       黒住昭子 氏       星野耕平 氏      横溝政資 氏
     

◇交流の新しい方式としてオンライン交流が盛んに行なわれていますが。
横溝
 私どもは昨年11月岡山で開かれた「岡山・上海障害児者絵画交流展」(旭川荘など主催)を手伝わせて頂きました。
  絵画80点を展示し、上海の人たちも鑑賞し交流するというもので、開会式もオンラインで行なわれ、盛り上がっていました。
  このほか、県内の高校と中国の学校との交流も、オンラインでやった例が多かったようです。移動出来ないことからの代替え策かも知れませんが、こんな活動も続けたら良いなと思いました。
  直接行くのとオンライン、両方の良いところを使って交流すれば、交流範囲はグンと広がりますよ。
  交流の基本は お互い直接会うこと
黒住 これまで日中の伝統音楽の交流をしてきましたが、交流の基本は、人と人とが直接会うことです。今は行くことが出来ないから〝つなぎ〟の時期です。仕方無く…。
  コロナ禍が収まるまで、オンラインを使ってしっかりと関係性をつないでおくことが必要かな、と思います。
 中国には今でも実際日本に行きたいという人はいっぱいいます。しかし今は出来ない。その時、オンラインを使って交流会をして頂けば、良いチャンスになります。
  若者への呼びかけ 今がチャンス
星野 若い人たちに呼び掛けていくには、今が良いチャンスかも知れません。インターネット、オンラインは、若者に参加してもらうには凄く良いツールになるんです。
黒住 留学生の皆さんは、何らかの想い、熱意を持って日本へ、また岡山に来られているのでしょうから、岡山の中での交流の場をもっと作ってあげればいいでしょうね。
横溝 いろんな趣味をお持ちの方がおられると思うので、同じ趣味の人が集えるような場所を提供するとか…
 料理の講習会もいいし、日本文学の研究もいい。
 日本の若い人たちとの交流は必要だと思います。日本人の集まりの時に中国人を誘ってもらうとか…

◇ポストコロナの新しい時代の友好交流について。
 このコロナ禍も、今年はワクチンが出来て落ち着くと思います。ですから多分、対面行動はこれから進むかも知れません。
  今年の前半はオンライン交流が中心として、後半の半年はワクチンを接種した後、多分良い状況になるでしょうから、対面活動をしたいですね。
土井 私はなんと言っても新しい時代は「心の時代」だと思っています。「絆」が非常に大切になります。
  比叡山に延暦寺というお寺があります。その祖師が最澄、つまり慈覚大師です。平安時代の高僧で中国にも留学しています。
  大師がおっしゃっているのが「一隅を照らす」という言葉です。要約すれば、誰も気付かないような片隅の事柄にも、ちゃんと真面目に取り組む人こそ尊い(国の宝)のだという教えです。
  これからの交流は、この精神で取り組まなければならないと思います。
  今年の一年は 重要な意味を持つ
 今年は、洛陽市と岡山市が友好都市になって40年、双方にとって重要な意味を持つ一年になりますね。交流活動についても色々な構想があります。
  例えばインターネット上での交流会、また、中国人留学生と日本代表が参加する料理大会(日中料理対決)もどうでしょう。
土井 私は80歳を越えました。これから後20年は頑張ろうと思っています。料理をしたり、中国語の勉強、健康のためゴルフもやります。日中友好のため努力します。
黒住 今年はとにかく中国に行きたい。洛陽には毎年行っていましたし、多くの友達も待ってくれていますしね。
  4月には皆で お花見しましょう
 よければ4月に是非皆でお花見をしましょう。外に出て綺麗な桜を見ながら、一緒に楽しく話をすると、皆気持ちも良くなるじゃないですか。こんな交流の方が印象的でしょう。
 もうちょっと日本語を勉強して、友好的な交流活動の機会を見つけたいと思います。中国と日本の伝統的な文化の体験です。
  日本の文化体験としては、鯉のぼりやコスプレ、中国はちまきつくりや太極拳、そんな活動に参加し、日本人の友達をつくりたいと思います。
  お互い伝統の服着て 交流しては
 私は〝きもの〟が大好きです。中国人学生と日本人学生が、お互いの伝統的な服着て交流するのはどうでしょう。お互いの文化を尊重し、文化の理解を深めることが出来ると思います。
星野 青年部としては、読書や料理の交流を実現してみたいですね。
  個人的には、今夏の東京オリンピック卓球女子団体準決勝のチケットを持っていますので、是非応援に行きたい。
  もしかすると「日本VS中国」になるかも知れない。そして来年には北京で冬季オリンピックがあります。夏、冬連続して行きたいですね。
  中国へ行きたい どんどん中国からも
横溝 今年は中国に行きたいですね。昨年はゼロ回でしたし、今年は中国の仕事をもっと増やしたい。
  それに、中国の人にもどんどん日本に来てもらいたい。その仕事もやっていきたい。今回のコロナ禍で、新たにオンライン交流が生まれたように、また新しい形の交流スタイルが出来るのではないかと期待しています。
 青年部もいろいろアイディアを頂きましたので、それらを活かすよう頑張ります。
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2021年  新春メッセージ 
朝の来ない夜はない  
若者の活躍に期待

                        
岡山市日中友好協会会長  土井 章弘

  コロナ感染がパンデミックとなり、昨年は人の往来が制限され、例年の日中交流も実施されませんでした。
  しかし、厳しい状況の中で、中国での感染症の拡大に向けて、岡山市と岡山市日中友好協会が共同でマスクなど支援いたしましたが、やがて日本でも感染者が激増しました。
  それに対し、洛陽市・中国政府より、大量の医療用マスク・ガウン等を送って頂き感謝しました。
  また、岡山大学などの留学生が寄付を募り、集めたお金で、当協会を通じて岡山県病院協会に寄贈を頂き、各病院へ配布させて頂きました。

  時代は変わっても「山川異域 風月同天」は今も変わらぬ真理だと思います。岡山と中国は、奈良時代から多くの日中友好に貢献した先人の歴史があります。そして岡山市日中友好協会は、今年、創立40周年の節目を迎えます。

  初代会長の赤木五郎先生の宣言文には「日中国交正常化・日中平和友好条約の締結という素晴らしい時代を迎え、また、わが岡山市は洛陽市と友好都市縁組を結び、市民みんなで日中友好の幕開けとなりました。永遠の日中友好のため尽力をする所存であります」と述べられています。
  その後、宮本光研長泉寺名誉住職らが尽力し、仏教交流が行われ、片岡和男会長の時代から医療・教育交流も継続。昨年は片山浩子前会長が洛陽市栄誉市民となられました。

  私たちは互いに、思想、信条、政派の違いにとらわれず、文化・経済・教育で密接に結びついています。
  人や国は、それぞれ違う、違うのだけれども、かかわっていかねば人類は生存できません。その関わり合いの知恵を共に学ぶことが最も大切だと思います。その為にも、民間団体としての友好活動を推進していきたいと思います。

  生きる、暮らす、人間らしく生きるは人類共通の願いです。コロナ感染は必ず終焉します。朝が来ない夜はありません。コロナ後の世界は、垣根を越えて、共に手を携えて、多くの難問をひとつひとつ解決して、隣国として明るい友好関係を更に発展していきたいと思います。
官民が一体となり
友好交流を進めたい
                           岡山市長    大森 雅夫 

  岡山市日中友好協会の皆様におかれましては、健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。また、貴協会設立40周年という節目を迎えられたことに対し、謹んでお祝い申し上げます。
  平素から、岡山市の友好交流都市の洛陽市をはじめ、日中両国の交流推進に大きな役割を果たして頂くとともに、市政全般にわたり格別のご理解とご協力を賜り、心から感謝申し上げます。

  現在、新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界の多くの国で大変厳しい状況が続いています。
  そうした中、貴協会のご協力のもと昨年2月には、医療物資が不足していた洛陽市にマスクを贈ることができ、翌月には洛陽市から返礼のマスクが贈られるなど、両市の交流を深めることができました。改めて、そのご尽力に感謝申し上げます。

  岡山市では、コロナ禍により友好交流都市と十分な交流が行えておりませんが、洛陽市とは、第38回洛陽牡丹文化節開幕式に私から祝福と激励のビデオメッセージを贈らせて頂き、また、昨夏に予定していた国際サマーホームステイの代わりとして、本年2月には中高生によるオンライン交流を予定するなど、新たな工夫のもとでの交流を進めているところです。
  さらに、昨年10月には、両市の交流に多大な貢献をされた貴協会の片山浩子前会長をはじめ岡山市民2氏に対し、洛陽市から「洛陽市栄誉市民」の称号が授与されるという、本市にとっても大変光栄で喜ばしいことがありました。

  今年、岡山市と洛陽市は1981年に友好交流都市を締結して40周年という節目を迎えます。貴協会と共に、引き続き官民が一体となって両市の交流を進めることにより、両国の友好が一層深まることを期待しております。
  本年は「丑」の年。「忍耐強さ」や「発展の前触れ」を表す年と言われています。
  岡山市では引き続き、コロナ対策に万全を期すとともに、魅力と活力ある地域づくりや地域経済の活性化、子育て・教育環境の整備、文化・芸術の振興、公共交通の確保、防災・減災対策など、市民福祉の向上と将来の発展に資する施策に果敢に取り組み、前進を続けてまいります。

  年頭に当たり皆様方の市政への一層のご支援、ご協力をお願い申し上げますとともにますますのご健勝とご多幸を心から祈念申し上げます。
互いに学び共に研鑽
共に発展しよう

                             洛陽市長  劉 宛康 

 
  「日月春暉漸、光華万物新」(注1)。旧年に別れを告げ、新しい年を迎えるこの良き時にあたり、謹んで洛陽市人民政府並びに私個人の名義で、岡山市日中友好協会の会員の皆様に新年のご挨拶を申上げると共に、素晴らしい年になりますよう祈念申し上げます。

  洛陽市と岡山市の友好の歴史は古く、1981年の友好都市締結以来、両市は政府間から民間に至るまで、全方位で幅広い分野、そして各界各層にわたる交流活動を展開し一連の実際的な協力の成果を得ることが出来ました。

  とりわけ、新型コロナウイルス感染防止という最も緊急を要する時に、両市民は互いを気に掛け援助の手を差し伸べ合い、感染防止のための物資を寄贈し、まさに両国民による「山川異域、風月同天」という人間愛を体現したのです。
  それは、両市人民が肝胆相照らしお互いに助け合うという深い友情を表したものであります。ここに私は、717万人の洛陽市人民を代表し、謹んで貴協会と岡山市政府に対し衷心より感謝の意を表します。山河は異なっても春は到来し、牡丹と桜の花は相継いで咲き誇るでしょう。

  今しがた過ぎ去った2020年、洛陽も歴史上大きな出来事が多く発生しました。困難も多く、全く平凡ではない一年でした。一方、良いことも多く、喜ばしいことも多く、顕著な成果を上げた年でもありました。この一年、私たちはウイルスと戦い、拡大を抑え、堅い守りを攻略し困難を克服し、研ぎ澄まし奮い立って前進してきました。
  そして、中原都市群の中で、副都市としての建設を加速的に推進し、『小康社会を全面的に打ち建て、第一の百年(注2)の奮闘目標を実現する』という途上の中、堅実で大きな一歩を踏み出したのです。

  当面の間、新型コロナウイルスは私たちが相集うことを阻むでしょうが、洛陽市民と岡山市民の親しみを隔絶することは出来ず、心は深い友情で通じ合っています。
  2021年は両市友好都市締結40周年であり、また日中体育交流促進年でもあります。私たちは、岡山市政府、貴友好協会並びに各界の友人の皆さんが洛陽へ来られて観光旅行し、協力交流活動をし、友情を温め合うことを心より招聘致します。

 そして、両市が貴協会を結び手として、各界の友人の皆様と共に教育、科学技術、文化、観光、青年等の分野において多様な形式による交流協力活動を展開し、両市の友好が絶えず新たなスタート点に立ち、新たなステップを邁進し、国際友好都市として互いに親しみ助け合い、手を携えて前進する模範を打ち建てるため努力されるよう期待しております。  「美人之美、美美与共(注3)」のごとく、両市人民は世代を次いで誼を結ぶことこそ私たちの素晴らしい願いであります。

 私たちは『人類は運命共同体』という理念を継続して堅持し、岡山市政府、岡山市民と同じ道を歩み、友好を重視し協力を強化、互いに学び互いに研鑽し共に発展し、一緒に両市友好協力事業の新たなページを書き込みましよう。
  貴友好協会の益々のご発展を祈念いたします。岡山市民の皆様の新春をお祝いし、万事意の如くなりますように祈念申し上げます。
  (注1)日々春が近づき、時も万物も新たになる▽(注2)第一の百年=中国共産党創立は1921年なので、2021年は創立100年、第二の百年=新中国建国100年の2049年▽(注3)他人に善を施せば共に善を享受する。  
お互いの絆を
コロナで改めて確認

                               中華人民共和国 駐大阪総領事館 

  新たな年を迎えるに当たり、中国駐大阪総領事館を代表し、土井会長を始め岡山市日中友好協会の皆様に新年のご挨拶を申し上げます。日頃より当館の仕事や中日友好事業にご協力、ご支援頂き深く感謝の意を表します。

  過ぎ去った2020年は厳しい試練を強いられた一年でした。新型コロナウイルスが全世界で蔓延し、多くの人の命を奪いました。
 中日両国の正常な社会活動はもちろん、両国各分野の交流も大きく影響され、友好都市間の恒例イベントや相互訪問まで、多くの予定が乱されました。
  しかし、この試練から教わったこともあります。一つ目は中日間の絆がいかに強いかということ。新型コロナが発生して以来、中日両国は互いに助け合い、力を合わせて難関を乗り越え、「山川異域、風月同天」といった感動的な物語を作り出しました。

  岡山市と洛陽市、岡山県と江西省の間でも医療物資の相互支援が行われ、相手が困った時に自分のことのように心配し、一生懸命応援しました。「まさかの時の友こそ真の友」といったように、新型コロナによってお互いの絆を改めて確認できました。

  もう一つは一国の力がいかに弱いかということ。今の時代では、ウイルスのように一国の力で到底解決できない課題が多くあり、いかなる国も独りよがりにならず、団結と協力によってこそ初めて乗り越えることができます。   世界各国が一緒に手を携えて人類運命共同体を構築しなければなりません。  ウイルスの収束が見えない中、明るいニュースもありました。去年の11月末、中日間のビジネス関係者往来の「ファストトラック」が正式に開通し、両国が、新型コロナが常態化する中、人員往来を促進し、企業活動再開をサポートするための積極的な一歩を踏み出しました。今後もどんどん新たな措置を打ち出し、両国の交流を前に推し進めていくでしょう。

  皆様にもぜひ中日友好の信念を一層強め、民間交流や地方交流を推進し、中日関係の更なる発展のために引き続きご協力、ご支援頂くようお願い申し上げます。

ご案内
     2021年度(令和3年度
   定期総会及び講演会

     [日時]2021年2月27日(土曜日)
        ◎記念講演会(10時半より)     
           福武總一郎氏によるリモート講演
        ◎定期総会(12時20分より)     
           前年度決算、新年度予算等
     [場所]岡山国際交流センター国際会議場
           (岡山市北区奉還町2丁目2−1)
      [会費]記念講演会=1、500円、総会不要

         [例年とは会場が変っています] 

先憂後楽
  昨年8月と12月の2回、直島へ行った。1回目は旅行グループの添乗で、2回目はファムトリップという旅行会社向けのインバウンド誘致へのご招待を頂いての参加だった。ニュージーランド在住の福武總一郎氏がオンラインで講演をされた。

  あるものを活かし、ないものを創るというコンセプト、持続的な経営支援を保証するための公益資本主義という考え方、アートの力を過疎の開発に活かすという考え。それらは「直島メソッド」と総称され、国内外から高く評価されている。

  そのメソッドが中国で注目され、山東省の農村部で農産物を生産からネット販売まで、いわゆる一次産業から六次産業までを回す方式で福武氏が主導し、村に経済的利益をあげ、人材育成も含め、大きな成果をあげている。

  福武氏の考え方と日中協力事業はこれからの日中交流を考える上で、新たな示唆を与えてくれるだろう。2月27日のオンライン講演が楽しみだ。

  コロナ禍で日中交流も大きな制限を受けているが、親密さは深まっているように思う。旭川荘などが主催した岡山・上海障害児者絵画展の開幕式で挨拶した大阪総領事館の張副総領事が「コロナは容赦ないが人間には情がある」と友情の大切さを強調した。

  2021年がコロナの終息と日中リアル交流の再開になること、そして日中友好活動の新たなスタート点としてステップを踏み出すことを願っている。   (松) 




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また、ご入会いただくと、毎月お手元へお届けいたします。入会案内をご覧ください。


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