定期総会特集
2022年3月
令和4年3月
  273号

発行人 土井章弘
編集人 松井三平

 2022年度
定期総会
日中国交正常化50周年〝温故而知新”  
歴史に学び新たな交流を創造しよう   
会員・賛助会員を拡充し財政基盤の強化を
土井章弘会長

  認定NPO法人岡山市日中友好協会(土井章弘会長)は、2月26日、岡山市北区駅元町のANAクラウンプラザホテル岡山で、2022年度(令和4年度)定期総会と記念講演会を開いた。総会では、前年度の事業報告書、活動計算書を承認、新年度の事業計画書案、活動予算書案、定款一部変更案を審議の上、原案通り決定した。記念講演はオンラインで行なわれ、日中友好協会会長の丹羽宇一郎氏が「住所変更は出来ない~日中両国のこれから~」と題して熱く語り、中国大阪総領事館の薛剣総領事は大阪からオンラインでメッセージを寄せた。
 

  冒頭、昨年亡くなった物故会員への黙祷を行ない永年の友好活動への感謝と哀悼の意を捧げた。
  総会では、土井章弘会長が挨拶「今年は日中国交正常化50周年という大きな節目を迎える。お互いお隣の国として共に友好関係を発展させていきたい」と呼び掛けた。
  議事・議案審議は、松井三平専務理事が令和3年度の事業報告と活動計算書を報告。室賀康史監事が監査報告し、いずれも承認された。
  定款変更は、特定非営利活動以外にその他事業を追加するもので、提案通り承認された。
  令和4年度の事業計画と活動予算書についても松井専務理事が説明、原案通り認められた。
 
 
日中共同宣言の 精神を踏襲し活動
  2022年度の活動方針・事業計画では、今年、日中国交正常化50周年という大きな節目に当たることから、困難な中、国交正常化に尽力された両国の先人に学び、日中共同宣言に示された精神を踏襲して活動していくことを強調。
  「温故而知新、可以為師矣(故きを尋ねて新しきを知る、以て師と為すべし)」という論語の教えに従い、歴史に学び日中国交正常化50周年記念事業を実施する。
  日中緑化事業では第二期緑化協力事業を推進する。(公財)日中友好会館が新たに「日中植樹・植林連帯事業」を公募し協会として申請し採択された。
  3年間にわたり毎年10‌haの植樹を実施するもので、本年はその第二期目となる。
  場所は洛陽市新安県の石井鎮で、カウンターパートナーは洛陽市人民対外友好協会と新安県林業局。コロナ禍ではあるがSNSやメールなど、オンラインを駆使して現地との連絡を密にし、所期の目標達成を目指す。

  法人5社個人50人 会員の獲得に全力
  財政基盤強化では会員・賛助会員の拡大に取り組む。協会活動は、日中友好への想いをもって参加する会員によって成り立っている。
  組織財政も基本は会費。この基盤を強固にするため不断の会員拡大が求められる。本年は、法人会員5社、個人会員50人拡大を目標とし理事会を先頭に広く呼び掛ける。
間隔をとってソーシャルディスタンスで開かれた定期総会
(挨拶するのが土井会長、右は報告する松井専務理事)
 

















 
世界一たる日中両国が 協力しあうこと最重要    丹羽宇一郎氏

  丹羽氏は講演の中で「(日中関係の方向は)なるほど中国は科学者数が世界最多となり〝知識〟の面では日本も勝つことが出来なくなった。しかし、製品をつくる能力においては厚い中間層の労働力を持つ日本が世界一です。だから世界一の両国が協力しあうことが重要なのです」とした上で
  「日本と中国は住所変更が出来ない関係なのです。お互いに助け合って、知識の交換、製造能力の交換をしていくことが何より必要なのです。そのためには、両方の国民がお互いに交流を深め理解していくように努めることが、100年200年続けて行くべき日中友好の唯一の道だと思っています」と強調された。
 (リモート講演の詳細は次号に掲載します)

中日友好を肝に銘じて 一層交流を進めよう     薛 剣総領事

  リモートで記念講演会に参加した中華人民共和国駐大阪総領事館の薛剣総領事が寄せたメッセージは次のとおり。
  「今年は中日国交正常化50周年という非常に大きな節目なのですが、このところ複雑な状態が続いています。そこで大事なのは、中日友好を肝に銘じた上で困難に立ち向かって新しい道を探っていくことです。
  真実を知るには交流しかありません。より一層交流をしないと。今は準備期間。コロナ禍が済んだらこれまで出来なかった〝2年分〟も含めて一気にやりましょう」。

                    
令和4年度(2022年度)、令和5年度(2023年度)事業計画
  事業計画については令和4年度 事業計画書  令和5年度 事業計画書
および令和4年度 活動予算書令和5年度 活動予算書を参照 
令和3年度(2021年度) 事業報告 
  昨年度の事業報告については令和3年度 事業報告書、および令和3年度 活動計算書を参照 
定款変更 
  定款変更を参照
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2022  定期総会・記念講演会
 
盛況だった丹羽氏の記念講演    来賓の逢沢一郎代議士       「日中友好のうた」お披露目

     
青年部「水蜜会」元気です
学生・若手の交流を活発化

  岡山市日中友好協会青年部「水蜜会」は、2018年11月に協会の若手メンバーが元となり発足しました。
  「水蜜会」という名前の由来は、岡山の特産物である桃と中国の〝水蜜桃〟との関係からきています。
  大きくて甘い特徴のある中国の水蜜桃が、明治初期、上海や天津から岡山に伝わってきたとされています。それが、今の岡山の白桃のルーツになっているようです。
  我々青年部も、水蜜桃が中国から岡山に渡ってきたように、日中の架け橋となれるようにと、そんな思いを込めて名付けました。

  私たちは昨年度、バドミントン大会、協会設立40周年記念事業の補助、日中交流ボードゲーム大会などを行いました。
 バドミントン大会は恒例行事として盛り上がりましたし、ボードゲーム大会は日中双方の将棋を紹介し合うことでコミュニケーションが図れ、一定の成果はありました。
  しかし、コロナ禍ということで活動の頻度は例年に比べて多くはありませんでした。
  今年は日中国交正常化50周年ということもあり、再度「水蜜会」の活動を積極的に展開していきたいと考えております。

  具体的には、今まであまり巻き込むことができていなかった日本人大学生に活動参加してもらい、学生・若手同士の交流を活発化させていきます。
  先だって、我々「水蜜会」、岡山県中国人留学生学友会、岡山大学日本人学生との間で意見交換を行いました。
  留学生からは日本文化の体験をしてみたい、日本人学生からは本場の中華料理を食べたり、実際に中国に行ってみたりしたいという意見がありました。

  それを受けて今年は各方面の方の力をお借りし、備前焼体験、茶道体験、岡山で味わえる本場中国料理の食事会、バドミントン大会、映画鑑賞会などを開催していきたいと思っております。

  今後の水蜜会イベントは以下で告知予定です。
   https://m.facebook.com/suimitsukai/instagram.com/suimitsukai/  
                                                 (代表、星野耕平・記)

《 日中国交正常化50周年記念 》
  「再会の奈良」上映に先行
             中国残留孤児問題学習会  3月26日

青木康嘉氏
  岡山市日中友好協会は、3月26日午後1時半から同3時まで、岡山市北区奉還町2丁目の岡山国際交流センター5階会議室で、中国残留孤児問題についての学習会(講演会)を開く。
  今年の日中国交正常化50周年の記念事業として開催するもの。

  講師は、残留孤児問題に詳しい近現代史研究者の青木康嘉氏。テーマは「近現代史にどう学ぶか~中国残留孤児の背景~」。同氏は、中国東北部(旧満州地域)をたびたび現地調査し、多くの著書も著わしている。

  学習会は、日中国交正常化50周年を記念して制作された日中合作映画「再会の奈良」の上映を機に計画された。物語は、日本に帰国した残留孤児を巡って、その孤児を探しに来日する老婆や取り巻く人達の心温まる〝孤児捜し〟の旅のお話。

  「再会の奈良」は、1月に奈良で先行上映され、その後2月から順次全国ロードショーに入っている。岡山では5月以降、シネマクレール丸の内(岡山市)で上映されることに決まっている。

  学習会は、参加費1名500円(当日支払い)。定員50人。希望者は当協会まで電話(086−225−5068)かメールで申し込めばよい。 ※コロナ禍で変更も考えられるため連絡方法を明記のこと。
 
 
河南省洪水義援金  
小学校からお礼状 

  河南省大洪水被災に対して当友好協会から義援金を贈った現地の小学校から、このほど、お礼状と被災状態を物語る写真が送られてきた。
  洪水は昨年7月、河南省一帯に発生。各方面に大きな被害が及んでいた。協会ではこれを受けて、会員に募金を呼び掛け、義援金35万円が寄せられた。
被災した後の教室
  協会では早速、土井会長らが中国駐大阪総領事館を訪問し、薛剣総領事に手渡していた。

  義援金は、河南省の慈善総会を通じて中でも大きな被害を受けた鄭州市中牟県打車李村の「黄店鎮打車李小学」に贈られた。
  同小学は、学生数が688人規模の小学校で、被災した学校設備の更新などに当てたという。

 送られてきた写真を見ると、浸水した教室や、散らばった教材類、それに周辺地面・壁などに入った亀裂、崩れた塀など、水害被害=写真=の大きさを物語っている。
岡山・長泉寺  
 玉佛堂落慶法会 

  真言宗御室派長泉寺(岡山市北区南方3丁目10−40、宮本龍門住職)は、4月18日午後2時から同4時まで、境内で玉佛堂落慶法会・記念式典を開催する。
  境内に完成した御堂「玉佛堂」の建立を祝うもの。  
活動日誌 
 1/ 7…令和4年度第1回理事会開催(協会)
 1/13…中国茶の会(協会)
 1/25…日中緑化助成金オンライン説明会(ZOOM)
 1/27…洛陽へ春節メッセージ(土井会長)
 2/ 4…総会準備委員会(協会)
 2/18…㈱丸五・藤木会長訪問(丸五)
 2/26…令和4年度定期総会及び記念講演会(ANAクラウンプラザホテル)
先憂後楽
  本年度の総会・講演会が無事終了した。昨年に続いて、講師はオンラインで視聴者は会場という形で実施した。コロナ禍の中、集客や広報活動も限られたが、皆さんの尽力やご協力を得て、想定していた約120名超の参加者となった。

  42年間、総会・講演会・互礼会という3本立ての行事を実施し、大きな活動目標を設定して一年間の友好活動のスタートとするのが恒例となっている。互礼会はコロナの関係で2年間実施できないでいるが、総会と講演会は困難な中でも実施して来た。.

  この時期に、ロシアのウクライナ武力侵攻が始まった。戦争という事態がかくも容易に始まり、無実の市民の命が奪われていることに驚きと憤りを禁じえない。日頃当たり前のように口にしている、平和、友好という言葉がこれほど重く感じられることはない。

  本年は日中国交正常化50周年という節目。国際情勢も日中関係も50年前とは全く異次元のパワーバランスになっているが、活動形式は少しずつ変化してきても、日中共同声明の基本精神に沿った活動理念は変わらない。

  丹羽宇一郎氏の講演の中で、日中両国が50年間、戦争をしてこなかったという事を深く考えるべきだと強調されていた。「友好」の重みを今一度かみしめて、今年も市民に根差した活動を積み上げていきたい。  (松)



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